9月16日の海外株式・債券・為替・商品市場(Update2)

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎NY外為:円はもみ合い、対ドル85円台-2週ぶり安値付近

ニューヨーク外国為替市場では円がドルに対してもみ合い。前日 に付けた2週間ぶり安値付近で推移した。前日には日本政府が6年半 ぶりの円売り介入に踏み切ったことから、円は1年10カ月ぶりの大 幅安となっていた。

ドルはユーロに対して下落。米フィラデルフィア連銀管轄地区の 製造業活動が2カ月連続で縮小したことが背景。スイス国立銀行(中 央銀行)がインフレ見通しを下方修正したことをきっかけに、スイ ス・フランはユーロに対して1カ月ぶりの安値に下落した。中国人民 元は上昇し、中国人民銀行(中央銀行)が市場レートと公定レートを 一本化した1993年末以降での最高値を付けた。ガイトナー米財務 長官は、「中国は人民元の大幅かつ持続的な上昇を容認する必要があ る」と述べた。

ドイツ銀行のG10為替ストラテジーの世界責任者アラン・ラス キン氏(ニューヨーク在勤)は、「市場は日本銀行に対抗することに かなり弱気だ」と指摘。「市場参加者は多くの国が自国通貨の上昇容 認に消極的と見ている。その中でユーロは安全通貨としての役割を果 たしている」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時29分現在、円はドルに対して前日比

0.1%安の1ドル=85円87銭と、8月30日以来の安値付近で取 引されている。ユーロはドルに対して0.6%高の1ユーロ=

1.3088ドル。一時は8月11日以来の高値となる同1.3110ドル を付ける場面もあった。ユーロは円に対して0.7%高の1ユーロ= 112円36銭。

「あまりにも遅い」

米フィラデルフィア連銀が発表した9月の同地区製造業景況指数 はマイナス0.7(前月マイナス7.7)。ブルームバーグ・ニュース がまとめたエコノミスト調査の予想中央値はプラス0.5だった。同 指数はゼロが拡大と縮小の境目を示す。

ガイトナー長官は、米国が人民元の上昇ペースに満足しておらず、 中国に元の一段の上昇容認を促すための方法を検討していると述べた。

同長官は上院銀行委員会の公聴会で、「人民元の上昇ペースはあ まりにも遅く、上昇の幅はあまりにも小さい」と証言。「米国が活用 できる手段と多国的なアプローチをどのように組み合わせれば、中国 当局により迅速な行動を促せるかという重要な問題を検討している」 と述べた。

米当局者らは、米企業が競争上不利な立場に置かれているとして、 中国の為替政策を批判している。

スイスの政策金利

スイス・フランはユーロに対して1.8%安の1ユーロ=

1.3288スイス・フラン。一時は8月19日以来の安値となる同

1.3301スイス・フランを付けた。

スイス国立銀行は政策金利である3カ月物ロンドン銀行間取引金 利(LIBOR)の誘導目標を0.25%に据え置いた。ブルームバー グ・ニュースがまとめたエコノミスト調査では、19人中18人が据 え置きを予想していた。同中銀は今年のインフレ見通しを0.7%と し、従来の0.9%から下方修正した。

タイ・バーツは0.3%安と、5月25日以来の大幅安。韓国ウ ォンは今週の安値水準に下落した。両国の中央銀行が日本に倣って自 国通貨の上昇抑制に向け介入に踏み切るとの懸念が背景にある。

日本銀行が全国の企業1万社以上を対象に行った前回の企業短期 経済観測調査(短観、6月調査)によると、2010年度下期(10年 10月-11年3月)の想定為替レートは1ドル=90円16銭となっ ており、ドルに対する現在の円の水準はこれを上回っている。

◎米国株:総じて下落、フェデックスの利益見通しを嫌気

米株式相場は総じて下落。アップルの携帯型多機能端末「iPa d(アイパッド)」の中国発売を控えテクノロジー株が買われたもの の、フェデックスの利益見通しが市場予想に届かなかったことが嫌気 され、全般的に軟調な展開となった。

小荷物輸送で米2位のフェデックスが安い。また米国の住宅差し 押さえ件数が過去最高に達したことから、パルト・グループが下落し た。一方、アップルは276.57ドルと上場来最高値。S&P500種 株価指数のテクノロジー株指数は、主要10業種中で最大の上げとな った。フォード・モーターは、バークレイズが投資判断を引き上げた ことに反応し、買い進まれた。

S&P500種株価指数は前日比0.1%未満下落の1124.66。 一時は0.6%安まで下げた。ダウ工業株30種平均は22.10ドル (0.2%)上昇し、10594.83ドルと、8月10日以来の高値。米 証券取引所全体での騰落比率は1対2。

ブラックロックの投資ストラテジスト、ラス・ケステリッヒ氏は、 「回復はまだら模様だ」とし、「経済指標はまちまちな状況が続いて いる。輸送業界で悲観的な見通しが示されたことは、米国の景気回復 が弱々しいものになるとの見方を裏付けている」と述べた。

米景気減速の兆候が強まるなか、S&P500種は4月に付けた 年初来高値から7.6%下げている。この下落で指数構成銘柄の予想 株価収益率(PER)は約12.2倍と、2009年3月以来の低水準 付近となっている。

運輸株の下落

S&P500種の運輸株指数は1.2%安と、24業種中で最大の 下げ。フェデックスは3.8%安の82.72ドル。同社の発表によれ ば、9-11月(第2四半期)の1株当たり利益は1.15-1.35ド ルとなる見通し。ブルームバーグがまとめたアナリスト19人の予想 平均は1.37ドル。同社はまた、1700人の人員削減を明らかにし た。

住宅建設株指数は3%下落と、ここ1カ月余りで最大の値下がり。 米リアルティトラックの調査によれば、米国では8月の住宅差し押さ え件数がこの5カ月で3度目の過去最高に達した。金融機関が返済不 能に陥った数千人もの住宅所有者に対する差し押さえ手続きを完了し たためとみられる。

売上高で米最大の住宅建設会社、パルトは3.9%安の8.24ド ル。KBホームも3.9%値下がりし、11.27ドル。

テクノロジー株

アップルのけん引でS&P500種のテクノロジー株指数は

0.7%高と、10業種中で最大の値上がりとなった。

同指数は7営業日続伸と7月以来の長期上昇局面となっている。 事情に詳しい関係者によれば、マイクロソフトは配当と自社株買いの 資金を調達するため年内にも、債券を発行する計画だ。これに反応し、 同社株は今週上昇。また、14日に初の配当計画を明らかにしたシス コシステムズも買われている。

フェデレーテッド・インベスターズの株式市場チーフストラテジ スト、フィリップ・オーランド氏(ニューヨーク在勤)は、「テクノ ロジー企業は魅力的だ」と語る。「こうした企業には潤沢な手元資金 がある」と指摘した。

フォードは4.8%高の12.44ドルだった。バークレイズはフ ォードの投資判断を「オーバーウエート」と、従来の「イコールウエ ート」から引き上げた。コスト削減などによる収益力の改善を理由に 挙げている。

◎米国債:30年債利回り、上昇―追加緩和観測が後退

米国債相場は下落。30年債利回りは1カ月ぶりの高水準を記録 した。朝方発表された米週間失業保険申請件数やフィラデルフィア連 銀景況指数を受け、米連邦準備制度理事会(FRB)による量的緩和 の追加措置観測が後退した。

2年債利回りは過去最低に3ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01ポイント)内に迫った。FRBはこの日、償還期限2012年 12月―13年2月の国債13億7900万ドルを購入した。次回の連 邦公開市場委員会(FOMC)は21日に開かれる。

BNPパリバの金利ストラテジスト、セルゲイ・ボンダルチャク 氏は「経済統計は悪化しているようには見受けられない」と指摘。 「FOMC会合が近づいているが、発表される経済統計の内容が悪化 していないことから、FRBは量的緩和の発表を次回まで見送る可能 性がある」と続けた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時19分現在、30年債利回りは前日比5ベーシスポイント 上昇の3.93%。同年債(表面利率3.875%、2040年8月償還) 価格は30/32下げて99 2/32。

30年債利回りは一時3.96%と、8月13日以来の高水準を記 録した。10年債利回りは4bp上げて2.76%。2年債利回りはほ ぼ変わらずの0.48%。8月24日には0.45%と過去最低を付けた。

フィラデルフィア連銀景況指数

フィラデルフィア連銀が発表した9月の同地区製造業景況指数は マイナス0.7(前月マイナス7.7)。同指数はゼロが拡大と縮小の 境目を示す。同統計発表後に米国債は下落した。

また労働省が発表した11日に終わった1週間の新規失業保険申 請件数(季節調整済み)は前週から3000件減少して45 万件。ブ ルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は45 万9000件だった。前週は45万3000件(速報値は45万1000 件)に修正された。

8月の生産者物価指数(PPI)全完成品は前月比0.4%上昇 した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央 値は0.3%上昇だった。前月は0.2%上昇。PPIに反応し、償還 期限の長い国債は下落した。

対米証券投資

米財務省が発表した7月の対米証券投資統計によると、中国は引 き続き世界最大の米国債保有国。保有額は8467億ドルに増加した。

中国は2009年7月に米国債の保有額が9399億ドルのピーク に達した後、これまでに保有額を10%縮小した。

モルガン・キーガンの債券セールス・トレーディング・調査責任 者、ケビン・ギディス氏は「わずかな利回りにもかかわらず、ドル建 て資産に対する海外からの需要が強いことに違和感を覚える投資家が いるかもしれない」と述べた上で、「今のところ、ドル建て資産以外 に資産の振り分け先がないということだ」と説明した。

米国債保有額2位の日本は2.2%増やして8210億ドルと、日 本としては保有額が過去最大に膨らんだ。

◎NY金:最高値更新、ドル安やヘッジ需要-一時1279.50ドル

ニューヨーク金先物相場は反発し、過去最高値をつけた。最高値 更新は今週2度目。ドル下落を背景に買いが入った。世界経済や金融 市場の混乱に対するヘッジ目的の買いも集めた。

ドルが対ユーロで5週間ぶりの安値を付け、金は一時1オンス=

1279.50ドルに上昇した。欧米の中央銀行が景気浮揚に向けて政策 金利を過去最低水準で維持するなか、金連動型ETF(上場投資信託) の金保有量は今年16%増加している。

キャピトル・コモディティー・サービシズのラニー・コーエン社 長は、「金に資金が集まっている」と指摘。「世界中の中銀によるマ ネー印刷に制御が効かなくことを投資家は非常に恐れている。金は唯 一の価値保存の方法だ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 相場12月限は前日比5.10ドル(0.4%)高の1オンス=

1273.80ドルで取引を終了。年初からは16%上げている。

◎NY原油:大幅続落、パイプライン稼働再開を明日に控え

ニューヨークの原油先物相場は大幅続落。米中西部にカナダ産原 油を輸送するパイプラインの稼働再開を控えて売りがかさみ、今月最 大の値下がりとなった。

エンブリッジ・エナジー・パートナーズが17日の早い時間にパ イプライン稼働を再開すると発表すると、原油先物は2.5%安まで 売り込まれた。同パイプラインは先週、イリノイ州で漏出が発見され て以来、操業を停止している。

リンド・ウォルドック(シカゴ)の市場担当シニアストラテジス ト、リチャード・イルチスジン氏は、「エンブリッジの問題が浮上し て以降、市場には大量の買いが入っていた」と指摘。「地域的な問題 ではあるが、中西部のインフラが非常に旧式であるという事実が脚光 を浴びたため、誰もが過敏に反応したからだ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物10月限は前 日比1.45ドル(1.91%)安の1バレル=74.57ドルで取引を終 了した。一時は9日以来の安値となる74.11ドルまで下げていた。 年初からは6.1%の値下がり。

◎欧州株:下落、米英の経済指標受け景気減速懸念広がる-BT安い

欧州株式相場は下落。英国の小売売上高が予想に反して減少した ほか、米経済指標が製造業活動の縮小を示したことから、世界の経済 成長が減速しているとの見方が広がった。

英電話会社BTグループが安い。モルガン・スタンレーによる同 社の投資判断引き下げが嫌気された。スウェーデンのエリクソンも下 落。牛乳加工のロバート・ワイズマン・デイリーズは減益見通しを明 らかにしたことから、同銘柄としては過去最大の下落となった。

一方、アナリストが買いを勧めたエンジニアリング欧州最大手の 独シーメンスは上昇し、資本財株の上げをけん引した。独建設会社ホ ッホティーフも大きく値上がり。スペインのアクティビダーデス・ デ・コンストルクシオン・アンド・セルビシオスが27億ユーロ(約 3000億円)での同社買収を提案したことが背景。

ストックス欧州600指数は前日比0.8%安の263.47で終了。 同株価指数は月初来4.8%高、13日には約4カ月ぶりの高値を付け た。ただ、今週は0.5%安となっている。5月に付けた年初来安値 から14%戻したことが、世界経済の見通しと比べて正当化されるか どうかを投資家は見極めようとしている。

ドイツ・ポストバンクの株式ストラテジスト、ハインツゲルド・ ゾンネンシャイン氏は「二番底はまったく視野に入っていないが、引 き続き弱い回復が見込まれる」と指摘。「第3および第4四半期の企 業決算は、前2四半期ほど好調な結果にはならないため、株価の押し 上げ材料とはなりにくいだろう。市場参加者は静観姿勢をとっている」 と述べた。

BTが安い

BTグループは3.1%安。モルガン・スタンレーは同社の投資 判断を「オーバーウエート」から「イコールウエート」に引き下げた。 エリクソンは2.1%安。

ロバート・ワイズマン・デイリーズは30%急落。同社は「最近 の激しい競争圧力」で営業利益が減少するとの見通しを示した。

シーメンスは2.9%高。モルガン・スタンレーは同社の投資判 断を「イコールウエート」から「オーバーウエート」に引き上げた。

◎欧州債:ドイツ国債は続落-フランスとスペインの国債入札需要減

欧州債市場ではドイツ国債相場が続落。フランスとスペインの国 債入札を背景に、域内で最も安全とされるドイツ国債に対する需要が 後退した。

独2年債利回りはほぼ7週間ぶりの高水準、独10年債利回りは 1カ月余りの最高となった。フランスは103億ユーロ相当の国債 (インフレ連動債含む)を発行し、スペインは満期2020年と41 年の国債を計40億ユーロ入札した。

クレディ・アグリコルCIB(ロンドン)の資本市場戦略担当ア シスタントディレクター、オーランド・グリーン氏は、「市場がこの 日の国債入札の消化に備える中、ドイツ国債相場は下げた。特に周縁 国の国債発行が注目材料となっている」と語った。

ロンドン時間午後4時35分現在、独10年債利回りは前日比7 ベーシスポイント(1bp、bp=0.01%)上昇し2.48%。一時 は2.49%まで上げ、先月11日以来の高水準を付けた。同国債(表 面利率2.25%、2020年9月償還)価格は0.64ポイント下げ

97.99。2年債利回りは7月30日以来の高水準となる0.83%ま で上げた後、0.81%となった。前日比で6bp上昇した。

スペインの国債入札で2020年債に対する応札倍率は2.32倍。 6月17日実施の前回入札では1.89倍だった。41年償還の国債に 対しては2.1倍と、前回入札の2.45倍を下回った。フランスの国 債入札でも、前回よりも強い引き合いがあった。

◎英国債:下落、10年債3.15%-入札不調とインフレ期待上昇で

英国債相場は下落。30億ポンド(約4020億円)相当の10年 債入札の不調に加え、英消費者のインフレ期待が高まったことが背景 にある。

10年債利回りは前日比6ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)上昇の3.15%。2年債利回りが4bp上昇し0.73%と なった結果、両国債の利回り格差は242bpに拡大した。終値ベー スとしては8月10日以降で最大の幅となった。

この日実施された2020年9月償還、表面利率3.75%の国債 入札の応札倍率は1.68倍。前回の7月入札は2.45倍だった。

イングランド銀行(英中央銀行)が16日発表した四半期調査に よると、英消費者の向こう1年のインフレ期待が2008年8月以来 の高水準となった。英消費者はこの先1年間のインフレ率が3.4% とみている。5月の前回調査では3.3%だった。

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