NY外為:円はもみ合い、85円台-2週ぶり安値付近

ニューヨーク外国為替市場で は円がドルに対してもみ合い。前日に付けた2週間ぶり安値付近 で推移した。前日には日本政府が6年半ぶりの円売り介入に踏み 切ったことから、円は1年10カ月ぶりの大幅安となっていた。

ドルはユーロに対して下落。米フィラデルフィア連銀管轄地 区の製造業活動が2カ月連続で縮小したことが背景。スイス国立 銀行(中央銀行)がインフレ見通しを下方修正したことをきっか けに、スイス・フランはユーロに対して1カ月ぶりの安値に下落 した。中国人民元は上昇し、中国人民銀行(中央銀行)が市場レ ートと公定レートを一本化した1993年末以降での最高値を付け た。ガイトナー米財務長官は、「中国は人民元の大幅かつ持続的な 上昇を容認する必要がある」と述べた。

ドイツ銀行のG10為替ストラテジーの世界責任者アラン・ラ スキン氏(ニューヨーク在勤)は、「市場は日本銀行に対抗するこ とにかなり弱気だ」と指摘。「市場参加者は多くの国が自国通貨の 上昇容認に消極的と見ている。その中でユーロは安全通貨として の役割を果たしている」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時29分現在、円はドルに対して前日 比0.1%安の1ドル=85円87銭と、8月30日以来の安値付近 で取引されている。ユーロはドルに対して0.6%高の1ユーロ=

1.3088ドル。一時は8月11日以来の高値となる同1.3110 ド ルを付ける場面もあった。ユーロは円に対して0.7%高の1ユー ロ=112円36銭。

「あまりにも遅い」

米フィラデルフィア連銀が発表した9月の同地区製造業景況 指数 はマイナス0.7(前月マイナス7.7)。ブルームバーグ・ニ ュースがまとめたエコノミスト調査の予想中央値はプラス0.5だ った。同指数はゼロが拡大と縮小の境目を示す。

ガイトナー長官は、米国が人民元の上昇ペースに満足してお らず、中国に元の一段の上昇容認を促すための方法を検討してい ると述べた。

同長官は上院銀行委員会の公聴会で、「人民元の上昇ペースは あまりにも遅く、上昇の幅はあまりにも小さい」と証言。「米国が 活用できる手段と多国的なアプローチをどのように組み合わせれ ば、中国当局により迅速な行動を促せるかという重要な問題を検 討している」と述べた。

米当局者らは、米企業が競争上不利な立場に置かれていると して、中国の為替政策を批判している。

スイスの政策金利

スイス・フランはユーロに対して1.8%安の1ユーロ=

1.3288スイス・フラン。一時は8月19日以来の安値となる同

1.3301スイス・フランを付けた。

スイス国立銀行は政策金利である3カ月物ロンドン銀行間取 引金利(LIBOR)の誘導目標を0.25%に据え置いた。ブルー ムバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査では、19人中 18人が据え置きを予想していた。同中銀は今年のインフレ見通し を0.7%とし、従来の0.9%から下方修正した。

タイ・バーツは0.3%安と、5月25日以来の大幅安。韓国ウ ォンは今週の安値水準に下落した。両国の中央銀行が日本に倣っ て自国通貨の上昇抑制に向け介入に踏み切るとの懸念が背景にあ る。

日本銀行が全国の企業1万社以上を対象に行った前回の企業 短期経済観測調査(短観、6月調査)によると、2010年度下期(10 年10月-11年3月)の想定為替レートは1ドル=90円16銭と なっており、ドルに対する現在の円の水準はこれを上回っている。