今日の国内市況:株式反落、債券続伸-円は2週間半ぶり安値から反発

東京株式相場は小幅反落。電気・ ガスや陸運など公益株、保険や銀行、証券など金融株といった内需関 連業種が安い。また、為替市場での円安方向への動きも鈍ったことで、 化学など輸出関連業種の一部でも反落する銘柄が見られた。

日経平均株価の終値は前日比7円6銭(0.1%)安の9509円50 銭、TOPIXは同3.93ポイント(0.5%)安の844.71。

前日の日本の通貨当局による介入をきっかけに為替相場で円高修 正が進み、相対的に輸出関連業種への資金シフトが起こった。ただ、 急激なトレンド変化の反動も出て、きょうの東京外国為替市場では対 ドル、ユーロで円安方向への動きは鈍化。化学など輸出関連業種の一 角への売りにつながった。続伸の動きとなった輸送用機器、ゴム製品、 精密機器、ガラス・土石製品、機械、電気といった輸出関連業種も、 キヤノンやホンダ、京セラの上昇率が1%未満となるなど、総じて上 げは限られた。

保険、証券・商品先物取引、銀行など金融株が売られ、電気・ガ ス、陸運、不動産、建設、情報・通信など内需関連業種はほぼ全滅。 個別では東京電力、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友 フィナンシャルグループ、JR東日本など時価総額上位の内需関連株 がTOPIXのマイナス寄与上位に並んだ。

債券は続伸

債券相場は続伸。前日の米国市場の債券安や日米株高を手掛かり に売りが先行した。しかし、為替市場での円相場のじり高基調を受け て国内株相場が下げに転じると買いが優勢になり、長期金利は午後の 取引で2週間ぶりの低い水準に到達した。

東京先物市場の中心限月12月物は前日比17銭安の141円95銭で 始まり、開始後いったんは141円85銭まで下げた。しかし、その後は じりじりと下げ幅を縮めて、午後にはプラス圏に持ち直す展開となり、 2時前には1日以来の高値圏となる142円46銭まで上昇。引けにかけ てはやや伸び悩んで14銭高の142円26銭で終了した。

前日には市場の予想外のタイミングで円売り介入が実施され、為 替相場は1ドル=82円台後半から一時は3円近くも円安に振れた。円 高が一段落したことや米国株相場上昇を受けて日経平均株価が続伸し て始まると、債券先物は前日に急騰した反動も広がったもようで、12 月物は朝方の取引で142円台を割り込んで推移した。

しかし、円売り介入効果の持続性に懐疑的な見方が多いことが、 その後の債券売りの圧力を減退させた。

実際、この日の為替相場は1ドル=85円台後半で始まった後に円 買いが優勢となり、午後には85円20銭台を付ける場面もあった。円 高圧力が再燃したことから日経平均は小幅安に転じた。

現物市場で新発10年物の310回債利回りは前日比0.5ベーシスポ イント(bp)高い1.055%で開始。直後には2bp高の1.07%を付けた が、その後は1.06-1.065%での小動きが続いた。午後に再び買いが 入ると一時は1日以来の低い水準となる1.025%を付けた。

新発10年債利回りは8月下旬からの3週間に0.9-1.2%のレン ジで乱高下した。その後、民主党代表選での菅直人首相再選によって 金利上振れへの懸念が弱まると、前日には一時7bp低下の1.035%を 付ける場面もあったが、1.0%台前半でいったんは買いが一服した。

この日も朝方こそ買い控えの雰囲気が広がったが、その後は再び 金利水準を切り下げる展開。

一方、21日には国債大量償還を控えているほか、月末、月初にか けて流動性供給入札以外に長期ゾーンの国債入札が実施されないこと から現物市場の好需給が意識されている。

円が反発

東京外国為替市場では円が対ドルで約2週間半ぶり安値付近から 小反発した。久々の円安水準で国内輸出企業などの円買いが出るとの 思惑を背景に、円は前日の下げ幅を縮小。もっとも、政府・日銀によ る介入警戒感もあり、円の上値は限られた。

ドル・円相場は前日の海外市場で付けた8月30日以来の円安値1 ドル=85円78銭付近で早朝の取引を迎えると、円がじり高となり、 正午すぎには一時、85円23銭まで円が上昇。その後は85円台前半で もみ合う展開となった。

ユーロ・円相場も朝方に1ユーロ=111円62銭と8月11日以来 の円安値を更新した後、一時、110円66銭まで円が上昇。しかし、円 買いは続かず、欧州市場に向けては再び111円台を回復している。

また、ユーロは対ドルで約1カ月ぶりの高水準となる1ユーロ=

1.30ドル台前半から一時、1.2976ドルまで軟化。午後にかけては下げ 渋り、再び1.30ドル台に値を戻した。

菅直人首相は16日朝、都内で開かれた日本商工会議所の通常会員 総会で、政府・日銀が円売り・ドル買い介入に踏み切ったことについ て「円の急激な変動は決して許さない覚悟だ。今後も必要な時には断 固たる措置を取る」と強調した。

政府関係者は同日午後、一部記者団に対し、為替介入を同日行う かどうかについてコメントしないと述べた。また、今後の為替介入は 市場動向次第として、介入は昨日で終わったわけではないとの考えを 示した。

政府・日銀は15日午前、円が対ドルで82円88銭と1995年5月 以来の高値を付けたことを受け、約6年半ぶりとなる円売り・ドル買 い介入を実施。同日の欧米市場でも単独介入を断続的に実施したとみ られており、16日付の日経新聞朝刊は、介入額が1日では過去最大規 模となる2兆円超に達したもようだと報じた。

日銀の白川方明総裁は16日午後、都内で開かれた全国証券大会で あいさつし、今後の金融政策について「不確実性が高い状況であるだ けに、先行きの経済・物価動向を注意深く点検した上で、必要と判断 される場合には適時適切に政策対応を行っていく」と述べた。また日 本経済はすう勢的な成長期待の低下に直面しているとし、景気の下振 れリスクに注意する必要を指摘した。

一方、米国では中国人民元に関する公聴会が開かれている。ガイ トナー米財務長官は16日、上院銀行委員会での公聴会で、米国が人民 元の上昇ペースに満足しておらず、中国に元の一段の上昇を促すため の方法を検討していると証言する。

米下院歳入委員会のレビン委員長は15日、中国の為替政策をめぐ る公聴会の冒頭で、日本の為替介入について「非常に気掛かり」な展 開だと述べた。