日銀総裁:今後も市場に潤沢な資金供給、適時適切な政策対応

日本銀行の白川方明総裁は16日午 後、都内で開かれた全国証券大会であいさつし、政府・日銀が15日に 6年半ぶり実施した為替介入について「為替相場の安定的な形成に寄 与することを強く期待している」とあらためて述べた。その上で日銀 は「強力な金融緩和を推進しており、今後とも金融市場に潤沢な資金 供給を行っていく方針だ」と強調した。

白川総裁はまた、今後の金融政策について「不確実性が高い状況 であるだけに、先行きの経済・物価動向を注意深く点検した上で、必 要と判断される場合には適時適切に政策対応を行っていく」と述べた。

日本銀行は8月30日に開いた臨時の金融政策決定会合で、新型オ ペ(公開市場操作)による資金供給額を20兆円から30兆円に引き上 げるとともに、うち10兆円の資金供給期間を6カ月とすること決定し た。政府は10日に2010年度予算の予備費9150億円程度を活用した緊 急経済対策を決定し、日銀に対しては「さらなる必要な政策措置を取 ることを期待する」としていた。

日本経済について白川総裁は「緩やかに回復しつつある」との認 識を示す一方、先行きについては「当面は、輸出の増勢鈍化や個人消 費の一時的な押し上げ要因のはく落等により、景気の改善ペースがい ったん弱まる可能性もある」との見方を示した。しかし、海外経済の 回復と雇用・所得環境が徐々に改善することを考慮すると、「回復基調 自体が途切れることはない」とも語った。

一方で、米国経済を中心に世界経済をめぐる「不確実性がこれま で以上に高まっている」として、日本経済と物価情勢の先行きを見通 す際には「景気の下振れリスクをより意識する必要がある」と指摘。 また、日本経済は景気の循環的な課題に加え、人口減少などからすう 勢的な成長率の低下に直面しているとし、これが「デフレ問題の根源 的な原因にもなっている」と述べ、成長力強化が重要だと訴えた。