日本株は小反落、公益など内需関連安い-円高修正余地探る

東京株式相場は小幅反落。電気・ ガスや陸運など公益株、保険や銀行、証券など金融株といった内需関 連業種が安い。また、為替市場での円安方向への動きも鈍ったことで、 化学など輸出関連業種の一部でも反落する銘柄が見られた。

日経平均株価の終値は前日比7円6銭(0.1%)安の9509円50 銭、TOPIXは同3.93ポイント(0.5%)安の844.71。

東海東京投資顧問の宮島孝典運用第1部長は、1ドル=80円を割 り込む円高進行に対する恐怖はだいぶ薄れたが、「主要輸出企業の想定 レートである対ドル90円までの戻りは想定しにくいため、輸出株への 買い戻しにも限度がある」と話した。また、円高基調を背景に、輸出 企業が生産拠点の海外移転を加速すれば、「日本の雇用喪失を通じ、内 需関連企業の収益環境も悪化するのは避けられない」と指摘している。

前日の日本の通貨当局による介入をきっかけに為替相場で円高修 正が進み、相対的に輸出関連業種への資金シフトが起こった。ただ、 急激なトレンド変化の反動も出て、きょうの東京外国為替市場では対 ドル、ユーロで円安方向への動きが鈍化。化学など輸出関連業種の一 角への売りにつながった。続伸した輸送用機器、ゴム製品、精密機器、 ガラス・土石製品、機械、電機といった輸出関連業種も、キヤノンや ホンダ、京セラの上昇率が1%未満となるなど、上昇力は限られた。

防衛線を再度試すリスク

日産センチュリー証券ディーリング部の菊池由文部長は、ファン ダメンタルズ(経済の基礎的条件)や金融緩和の余地の大きさなどか ら円高が進行しやすい中にあって、「単独為替介入の効果の持続性には 疑問符がつく。当局が介入による円高修正のターゲットをどの程度に 設定しているのかを見極めたい、との心理も働いている」と言う。

仙谷由人官房長官が前日の定例会見で、通貨当局は1ドル=82円 台を防衛線と考えているとの見方を示したことに対し、菊池氏は不快 感を示唆。「政府高官が為替介入の防衛ラインについて言及するのは非 常識だ。円買いが再燃し、この水準を上回る円高になるようだと、ヘ ッジファンドの仕掛けなどで逆に円高が止まらなくなる可能性もある」 と指摘した。

保険、証券・商品先物取引、銀行など金融株が売られ、電気・ガ ス、陸運、不動産、建設、情報・通信など内需関連業種はほぼ全滅。 個別では東京電力、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友 フィナンシャルグループ、JR東日本など時価総額上位の内需関連株 がTOPIXのマイナス寄与度上位に並んだ。

ちばぎんアセットマネジメントの桶矢雅嗣運用部長は、介入によ る一段の円安期待も残る中、現時点で輸出株の買い持ち高を減らすリ スクもあり、「内需関連業種に相対的に売りが出やすい」と話していた。

東証1部の売買高は概算で18億2932万株、売買代金は1兆3860 億円。騰落銘柄数は値下がり1006、値上がり487。業種別33指数は 26業種が下げ、7業種が上昇。

アクセルはストップ安、アルプス電6連騰

個別では、新規遊技機器の需要低迷で、2011年3月期の業績予想 を下方修正したアクセルがストップ安(値幅制限いっぱいの下落)。U BS証券が投資判断を「買い」から「中立」に下げた国際石油開発帝 石、クレディ・スイス証券が投資判断を「中立」から「アンダーパフ ォーム」に引き下げた新日本製鉄とJFEホールディングスも安い。

半面、タッチパネルを増産すると16日付の日本経済新聞朝刊で報 じられたアルプス電気が6連騰。今夏の猛暑でエアコン販売が増え、 4-9月の業績が会社予想を上回りそうと同紙で報じられたエディオ ンも上げた。東証1部の値上がり率上位はレオパレス21、JVC・ ケンウッド・ホールディングス、旭ダイヤモンド工業、大幸薬品など

国内新興3市場は、ジャスダック指数が前日比0.3%安の48.22、 東証マザーズ指数が1.2%安の373.37、大証ヘラクレス指数は0.3% 安の573.60とそろって下落。個別では、株主割当による新株式発行を 発表したセイクレストが需給懸念で急落し、スタートトゥデイ、日本 風力開発、テックファームが安い。半面、10年9月期の期末配当予想 を上積みしたアイレップが買われ、ミクシィ、ケイブ、一建設が高い。