債券は続伸、円じり高で株価下落-長期金利は2週間ぶり低水準に

債券相場は続伸。前日の米国での 債券安や日米株高を手掛かりに売りが先行した。しかし、為替市場の 円相場のじり高基調を受けて国内株相場が下げに転じると買いが優勢 になり、長期金利は午後の取引で2週間ぶり低水準に到達した。

中央三井信託銀行総合資金部の関一也次長は、為替市場で円売り 介入が実施されたとはいえ、日本銀行が緩和的な政策運営を維持する 見通しが強いと指摘。民主党代表選という注目イベントを通過したこ ともあって、中期ゾーン中心に買い安心感が広がっているとも言う。

東京先物市場の中心限月12月物は前日比17銭安の141円95銭で 始まり、開始後いったんは141円85銭まで下げた。しかし、その後は じりじりと下げ幅を縮めて、午後にはプラス圏に持ち直す展開となり、 2時前には1日以来の高値圏となる142円46銭まで上昇。引けにかけ てはやや伸び悩んで14銭高の142円26銭で終了した。

前日には市場の予想外のタイミングで円売り介入が実施され、為 替相場は1ドル=82円台後半から一時は3円近くも円安に振れた。円 高が一段落したことや米国株相場上昇を受けて日経平均株価が続伸し て始まると、債券先物は前日に急騰した反動も広がったもようで、12 月物は朝方の取引で142円台を割り込んで推移した。

介入効果の持続性に懐疑的

しかし、円売り介入効果の持続性に懐疑的な見方が多いことが、 その後の債券売りの圧力を減退させた。ドイツ証券の山下周チーフ金 利ストラテジストは、欧米で金融引き締め観測が全く見られない中、 日本の単独介入による円安には限界があると言い、「円高が再び緩やか に進む可能性あるほか、長期や超長期ゾーンの利付国債入札が当面は ないなど、国内債を売り込む材料には乏しい」と指摘していた。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリー ダーは、円売り介入でも為替が円安方向に明確に転換しない中、債券 は現物買いの意欲が衰えていないと言い、「CTA(商品投資顧問)な ど債券先物の売り手からは買い戻しが膨らんだ」とみていた。

実際、この日の為替相場は1ドル=85円台後半で始まった後に円 買いが優勢となり、午後には85円20銭台を付ける場面もあった。円 高圧力が再燃したことから日経平均は小幅安に転じた。

10年債利回りは一時1.025%

現物市場で新発10年物の310回債利回りは前日比0.5ベーシスポ イント(bp)高い1.055%で開始。直後には2bp高の1.07%を付けた が、その後は1.06-1.065%での小動きが続いた。午後に再び買いが 入ると一時は1日以来の低い水準となる1.025%を付けた。

新発10年債利回りは8月下旬からの3週間に0.9-1.2%のレン ジで乱高下した。その後、民主党代表選での菅直人首相再選によって 金利上振れへの懸念が弱まると、前日には一時7bp低下の1.035%を 付ける場面もあったが、1.0%台前半でいったんは買いが一服した。

この日も朝方こそ買い控えの雰囲気が広がったが、その後は再び 金利水準を切り下げる展開。大和住銀投信投資顧問の伊藤氏は、日銀 が円売り介入で市場に供給される資金を吸収しない「非不胎化」介入 を行うとの観測が広がる中で、きょうは銀行などから中期債買いが膨 らんだと指摘。超長期ゾーンでは生命保険会社の押し目買いが入り、 10年債も売り一巡後すぐに買いに転じていたと言う。

好需給が金利安定に寄与

今後の利付国債の入札予定によると、流動性供給入札を除くと10 月7日の10年債、14日の30年債入札まで間隔が空くため、供給サイ ドからの金利上昇リスクは軽減される。

さらに、来週21日には国債大量償還を迎えることから、投資家か ら償還資金を再投資する動きが強まる可能性が高い。こうした現物市 場の好需給が当面の金利安定に寄与するとみられている。

中央三井信託銀の関氏は、中間期末前に金利が一段と下がれば利 益確定売りが出ることも考えられるが、投資家の金余りに変化がない ことから需要は強いと言い、金利上昇時にはたんたんと買いが入ると の見方を示した。

--取材協力:菅野顕一郎 Editors:Hidenori Yamanaka, Joji Mochida

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