破たんから2年、異彩放つリーマンの戦略-多額の現金、500人雇用

米リーマン・ブラザーズ・ホール ディングスの史上最大の経営破たんから2年がたつが、リーマンは再 び事業を行っているかのようだ。手元現金は数百億ドルに上り、500 人の従業員と不動産などを抱える。

ブライアン・マーサル最高経営責任者(CEO)率いるリーマン は、200億ドル(約1兆7100億円)近い資金を持ち、幹部やアドバイ ザーに対する月額給与は合計で最高4500万ドルに上る。売却が難しい 投資資産は400人の従業員が管理しており、少なくとも2012年まで続 くとみられる訴訟に数千万ドルを支出している。

リーマンの戦略は、清算を進めている破たん企業としては異例の 内容。マーサル氏(59)はリーマンの抱えるパフォーマンスの悪い保 有資産を処分売りするよりも、保持することで2倍の資金を回収でき るとみている。

ニューヨークのウィンストン・アンド・ストローンで金融機関の 再建を担当する弁護士のローレンス・ラロース氏は「清算される立場 にありがなら、事業継続中の投資事業のように活動している」と指摘。 「世界中にある多額の投資資産からゆっくりと抜け出そうとしている」 と語った。

マーサル氏は引き継いだ不良資産に現金を投じているだけはなく、 売却益を得られると考えてフランクフルトの関連会社から14億ドル でローンを買い取っている。ラロース氏によると、債権者はマーサル 氏に「非常に問題のある市場での資産の処分」を迫ってはいないとい う。

2008年からリーマンのCEOを務めているマーサル氏の出身会 社でリストラ企業のアルバレツ・アンド・マーサルはリーマンから、 7月まで3億2600万ドルを受け取っている。リーマンは4月、不動産 やプライベートエクイティ(PE、未公開株)投資資産、デリバティ ブ(金融派生商品)、企業向けローンを5年間にわたり管理するラムコ と呼ぶ部門の設立に関して裁判所の承認を受けており、リーマンやマ ーサル氏の企業の従業員に仕事を提供している。

マーサル氏はインタビューで、リーマンの資産を今後5年かけて 売却していくことで無担保債権者のために400億―500億ドルを調達 する意向を示した。同氏は、08年の金融危機直後に売却していれば、 調達額は200億ドル以下にとどまっていた可能性があると述べた。