米国株:反発、5週間ぶり高値-合併・買収観測などで

米株式相場は反発。主な株価指 数は5週間ぶりの高値をつけた。企業の合併・買収(M&A)や株主 還元策をめぐる観測から投資家は楽観を強めた。

自社株買い計画の規模を引き上げたトラベラーズは2.8%高。ダ ウ工業株30種平均の構成銘柄で上昇率トップとなった。ノベルは

5.9%上昇。身売りで合意したとのニューヨーク・ポスト紙報道が買 いを誘った。マッケソンはラザード・キャピタル・マーケッツによる 株価上昇予想を好感して上げ、ヘルスケア株をけん引した。

一方、タイム・ワーナー・ケーブルは顧客流出の可能性を示し、 株価は5%下げた。

S&P500種株価指数は前日比0.4%高の1125.07と、8月9 日以来の高水準となった。7月につけた年初来安値からは10%戻し ている。ダウ工業株30種平均は46.24ドル(0.4%)上げて

10572.73ドル。

ロバート・W・ベアードのチーフ投資ストラテジスト、ブルー ス・ビトルズ氏は、「投資家心理は弱気からやや強気に変わりつつあ る」と発言。「経済指標が示す景気鈍化はすでに織り込まれている。 企業のM&Aや事業活動が活発になるのは経営陣の自信を示唆してい る」と語った。

S&P500種は年初から0.9%上昇。4月23日につけた年初来 高値を7.6%下回っている。今後1年間の業績予想を基にした株価収 益率(PER)は約12.2倍と、7月につけた1年4カ月ぶりの低水 準である11.7倍に近い。

自社株買い、身売り観測

トラベラーズの最高財務責任者(CFO)、ジェイ・ベネット氏 は今年の自社株買いの規模予想を従来の40億ドルから45億-50億 ドルに引き上げた。

ネットワーク用ソフトウエアメーカー、ノベルは二分割して身売 りすることで原則合意した。ニューヨーク・ポストが協議に近い複数 の関係者の話として伝えた。

ハンティントン・アセット・アドバイザーズ(シンシナティ)で 133億ドルの資産運用に携わるピーター・ソレンティーノ氏は「企業 は手元の現金を使い始めている」と指摘。「景気見通しにとって良い 兆候だ。それは企業が明るい将来を予想し、合併や配当、自社株買い に積極的に現金を使うことを意味している」と語った。

ヘルスケア株が高い

ヘルスケア株は0.8%上昇。S&P500種の全10セクターで上 昇率首位となり、5月以来の高値をつけた。

医薬品卸売り大手のマッケソンは5.4%高。ラザードが選ぶ推奨 銘柄のヘルスケア株部門にマッケソンが含まれたことを好感した。

ニューヨーク連銀が朝方に発表した9月の同地区の製造業景況指 数は4.1と、前月の7.1から低下した。これを嫌気し、株式市場で は売りが先行した。同指数ではゼロが製造業活動の拡大と縮小の境目 を示す。

オークブルック・インベストメンツのピーター・ジャンコウスキ ーズ共同最高投資責任者(CIO)は、「経済には明確な方向感がな い」と語る。「そのため、株式相場は現在の水準付近でもみ合ってい る。それはまだ景気がソフトパッチ(一時的な軟化局面)にあること を意味している。特に最近の強い上昇の後であることを考えると、下 落局面が近いかもしれない」と話した。