9月15日の米国マーケットサマリー:円が3%急落、株は反発

ニューヨークの為替・株式・ 債券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)

為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.3011 1.2998 ドル/円 85.60 83.04 ユーロ/円 111.37 107.92

株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 10,572.73 +46.24 +.4% S&P500種 1,125.07 +3.97 +.4% ナスダック総合指数 2,301.32 +11.55 +.5%

債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .48% -.02 米国債10年物 2.72% +.04 米国債30年物 3.87% +.07

商品 (中心限月) 終値 前営業日比 変化率 COMEX金(ドル/オンス) 1,268.70 -3.00 -.24% 原油先物 (ドル/バレル) 75.74 -1.06 -1.38%

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場では円が急落。輸出主導の景気回復を 脅かす円高に歯止めをかけようと、日本政府が6年半ぶりの円売り介 入に踏み切ったことから、円はドルに対して15年ぶり高値から下落 した。

円は1年10カ月ぶりの大幅安となった。野田佳彦財務相は、政 府が単独介入を実施したと発表した。円安に向けた行動を約束してい た小沢一郎前幹事長を破り、菅直人首相が民主党代表に再選された翌 日の行動となった。トレーダーの間ではニューヨークの邦銀が日銀の 代理でドルを買い、介入継続を支援しているとの観測が広がった。

オンライン為替取引会社GFTフォレクスの調査ディレクター、 ボリス・シュロスバーグ氏(ニューヨーク在勤)は、「日本の第一の 目標は、ドルを対円で大きく上昇させることではなく、歴史的な安値 水準から浮上させることだ」と指摘。「介入のタイミングを賢明に見 極め、流れに抵抗せず流れに乗ったやり方だ」と述べた。

ニューヨーク時間午後3時3分現在、円はドルに対して前日比

3.1%安の1ドル=85円63銭。一時は85円78銭まで下げ、08 年11月以来の大幅下落となる場面もあった。アジアの取引時間では 82円88銭と、1995年5月以来の高値を付けた。円はユーロに対し て3.2%安の1ユーロ=111円35銭。ユーロはドルに対してほぼ変 わらずの1ユーロ=1.3004ドル。

◎米国株式市場

米株式相場は反発。主な株価指数は5週間ぶりの高値をつけた。 企業の合併・買収(M&A)や株主還元策をめぐる観測から投資家は 楽観を強めた。

自社株買い計画の規模を引き上げたトラベラーズは2.8%高。 ダウ工業株30種平均の構成銘柄で上昇率トップとなった。ノベルは

5.9%上昇。身売りで合意したとのニューヨーク・ポスト紙報道が買 いを誘った。マッケソンはラザード・キャピタル・マーケッツによる 株価上昇予想を好感して上げ、ヘルスケア株をけん引した。

一方、タイム・ワーナー・ケーブルは顧客流出の可能性を示し、 株価は5%下げた。

ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種株 価指数は前日比0.4%高の1125.07と、8月9日以来の高水準とな った。7月につけた年初来安値からは10%戻している。ダウ工業株 30種平均は46.24ドル(0.4%)上げて10572.73ドル。

ロバート・W・ベアードのチーフ投資ストラテジスト、ブルー ス・ビトルズ氏は、「投資家心理は弱気からやや強気に変わりつつあ る」と発言。「経済指標が示す景気鈍化はすでに織り込まれている。 企業のM&Aや事業活動が活発になるのは経営陣の自信を示唆してい る」と語った。

◎米国債市場

米国債市場では10年債が3日ぶりに下落。日本が2004年以来 初の為替介入に踏み切った後、次に償還期限の短い米国債を購入する との観測が背景。

10年債の2年債に対する上乗せ利回りは拡大。連邦公開市場 委員会(FOMC)が先月、債券購入プログラムの再開を発表し て以来の最大利回り格差に5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01 ポイント)内に迫った。

クレディ・スイス・グループの金利ストラテジスト、アイラ・ ジャージー氏は、「市場参加者は日本の円売りドル買い介入の影響 をあらためて分析している」と述べ、「日本は米国債を購入すると 予想されている。しかし問題はどの程度購入するかだ」と続けた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨー ク時間午後2時18分現在、10年債利回りは前日比5ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.73%。同年債(表面 利率2.625%、2020年8月償還)価格は3/8下げて99 1/8。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は反落。ドルの反発で代替投資先として の金の需要が弱まり、前日の過去最高値から下落した。

この日は主要6通貨のバスケットに対するドル指数が一時

0.8%上昇。過去2日では2%下げていた。14日には、金はオンス 当たり1276.50ドルと、過去最高値を更新した一方、ドルは対円で 15年ぶりの安値まで下落した。

フューチャーパス・トレーディングのトレーダー、フランク・レ シュ氏(シカゴ在勤)は、「ドル上昇に反応した短期的な売りと、前 日の過去最高値を受けた利益確定の売りが出た」と指摘した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 相場12月限は前日比3ドル(0.2%)安の1オンス=1268.70ド ルで取引を終了。14日には2%高と、7カ月ぶりの大幅高となって いた。

◎原油先物市場

ニューヨークの原油先物相場は2週間ぶりの大幅安。カナダから 米中西部へ原油を輸送するエンブリッジ・エナジー・パートナーズの パイプラインが、操業を再開するとの当局者発言が材料視された。

パイプライン・危険物質安全庁シカゴ地区の上級エンジニア、カ ール・グリフィス氏は、エンブリッジのパイプラインは今週末には稼 動を再開すると述べた。日本政府・日銀は、円が対ドルで15年ぶり 高値を付けたことを受けて円売り介入を実施。エネルギー省の発表で は先週の原油在庫が予想通り減少し、原油の売り材料が重なった。

PFGベストのバイスプレジデント、フィル・フリン氏(シカゴ 在勤)は、「週末までにパイプラインの稼動が再開されるならば、供 給を心配する理由はない」と指摘。「原油はドルの動きに左右される ため、日本政府の円売り介入も押し下げ要因となった。」と語った。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物10月限は前 日比78セント(1.02%)安の1バレル=76.02ドルで取引を終了 した。年初からは4.3%下げている。

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