NY外為:円は3%急落、米国でも邦銀通じた介入継続観測

ニューヨーク外国為替市場では 円が急落。輸出主導の景気回復を脅かす円高に歯止めをかけようと、 日本政府が6年半ぶりの円売り介入に踏み切ったことから、円はドル に対して15年ぶり高値から下落した。

円は1年10カ月ぶりの大幅安となった。野田佳彦財務相は、政 府が単独介入を実施したと発表した。円安に向けた行動を約束してい た小沢一郎前幹事長を破り、菅直人首相が民主党代表に再選された翌 日の行動となった。トレーダーの間では日銀が介入を継続するため、 ニューヨークの邦銀にドル買いを注文しているとの観測が広がった。

オンライン為替取引会社GFTフォレクスの調査ディレクター、 ボリス・シュロスバーグ氏(ニューヨーク在勤)は、「日本の第一の 目標は、ドルを対円で大きく上昇させることではなく、歴史的な安値 水準から浮上させることだ」と指摘。「介入のタイミングを賢明に見 極め、流れに抵抗せず流れに乗ったやり方だ」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時27分現在、円はドルに対して前日比

3.1%安の1ドル=85円71銭。一時は85円78銭まで下げ、08 年11月以来の大幅下落となる場面もあった。アジアの取引時間帯で は82円88銭と、1995年5月以来の高値を付けた。円はユーロに対 して3.3%安の1ユーロ=111円50銭。ユーロはドルに対して

0.1%高の1ユーロ=1.3010ドル。

スイス・フランはドルに対して0.7%安の1ドル=1.0033ス イス・フラン。ユーロに対しては0.8%下落。8日には過去最高値 の1ユーロ=1.2766フランに上昇していた。

モルガン・スタンレーは、対スイス・フランでのユーロ売りを勧 めることをやめた。日本の介入を受けて、スイスの中央銀行がフラン 上昇の抑制に向けて行動する可能性があることを理由に挙げた。

ニューヨークの取引

オンライン外為取引会社ゲイン・キャピタル傘下のフォレック ス・ドット・コムのチーフトレーダー、ティム・オサリバン氏による と、米市場でも邦銀がドル買いを入れ、邦銀を通じての介入継続が示 唆されている。

オサリバン氏は「一部の邦銀が日銀の注文に応じているとみて、 ほぼ間違いない」と述べた。

ニューヨークの日銀幹部は、介入継続についてのコメントを拒否 した。米財務省のナタリー・ワイス報道官は、日本の介入発表に関し てコメントを控えた。

政府当局者が匿名を条件に述べたところによると、日本政府は必 要とあれば、16日と17日にも為替市場での介入を継続する方針だ。

効果発揮の「可能性は極めて低い」

債券ファンド大手、米パシフィック・インベストメント・マネジ メント(PIMCO)のモハメド・エラリアン最高経営責任者(CE O)はブルームバーグラジオとのインタビューで、今回の介入が時間 とともに効果を発揮する「可能性は極めて低い」と指摘。この日の介 入にはサプライズの要素があったため、成功したと述べた。

みずほフィナンシャルグループのシニア為替トレーダー、 柳原秀敏氏(ニューヨーク在勤)は介入の規模を100億ドルと見積 もっている。

国際決済銀行(BIS)が8月31日に公表した3年ごとの中央 銀行調査によると、ドル・円相場の一日の出来高は4月に平均で 5680億ドルだった。これは外国為替市場全体の3兆9810億ドルの 14%に相当する。

円はこの日、主要16通貨すべてに対して値下がりした。英ポン ドに対しては3.6%下落。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの藤井知子FX ストラテジストは顧客向けリポートで、日銀は円売り・ドル買い介入 を午前10時30分に開始したと記述した。

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