EU:ネーキッド空売り制限、一部デリバティブは取引所決済-規制案

欧州連合(EU)の新デリバティ ブ(金融派生商品)規制法案は、株式と国債のネーキッド(現物の裏 付けがない)空売りを制限するとともに、店頭デリバティブの一部に ついて清算機関を通じた決済を義務付ける。EUの行政執行機関であ る欧州委員会が15日、法案を示した。

欧州委がブリュッセルで公表した2つの法案の下では、一部の店 頭デリバティブを頻繁に取引する投資家は中央のクリアリングハウス (取引清算機関)で決済しなければならない。また空売りをする投資 家は決済時に現物を入手できるという証明の提出を求められる。

バルニエ欧州委員(域内市場・サービス担当)は電子メールで配 布した声明で「圧力の高まっている市場では、空売りが下落を増幅さ せかねない。これが市場の秩序を崩しシステミックリスクをもたらす 恐れがある」と説明した。

ドイツのメルケル首相は5月に単独で、一部のネーキッド空売り を禁止したが、新規制案でEUはドイツの立場に近づく。フランスの サルコジ大統領も一部の株・国債空売り取引に反対の考えだ。

デリバティブの決済に関する法案は、同市場への規制を強化する 一連の法案パッケージの一部で、市場での役割の大きいカウンターパ ーティー(取引相手方)がデフォルト(債務不履行)した場合の影響 を限定することが目的。

バルニエ委員は「いかなる金融市場をも、開拓時代の米西部のよ うな状態に置いておくことはできない。店頭デリバティブ市場は、住 宅ローンから食料価格まで、実体経済に大きな影響を及ぼす」と指摘 した。

欧州委の案は、欧州議会と加盟27カ国で審議される。欧州と米国 の規制当局は、605兆ドル規模の店頭デリバティブ市場の監督強化を 推進している。