東京製鉄:鋼材販売価格、中国の減産で11月は引き上げも

国内最大手の電炉メーカー、東京製 鉄の大堀直人常務は、11月の鋼材販売価格を引き上げる可能性があるこ とを明らかにした。鋼材関連では最大生産国の中国が減産する影響など で、海外から日本市場に入ってくる鋼材価格が上昇し始めていることな どが理由だ。

大堀氏は14日のインタビューで、鋼材価格は、鉄鉱石など主原料の 価格引き下げや円高の進行が価格引き下げ要因としてあるとしながらも 「中国の電力カットによる減産の影響は大きい」と述べ、「値上げにな る可能性の方が強いかもしれない」と語った。

中国では今月、電力消費を抑制するために、鉄鋼生産で同国最大の 河北省などで地方政府が電力供給の制限を始めており、鉄鋼生産に影響 が出ている。クレディ・スイス・グループは、中国全土で年間最大2500 万トンの鉄鋼生産能力が停止される可能性があると指摘している。

株式公開している鉄鋼メーカーとしては中国最大手の宝山鋼鉄が14 日発表した10月の国内向け鋼材価格では、熱延薄鋼板(ホットコイル) が1トン当たり300元(約45ドル)の値上げとなるなど、主要製品の価 格を5カ月ぶりに引き上げた。

大堀氏は、東京製鉄が来週に発表予定の10月販売価格について「1 カ月は様子をみるべきだ」と述べ、据え置く考えを示した。同社の9月 の販売価格では、スクラップ価格の反発や中国の鋼材市況が上昇基調に あることを受け、H形鋼は1トン当たり前月比3000円高の7万2000円、 熱延薄鋼板(ホットコイル)は同2000円高の6万4000円とするなど全品 種で値上げしている。

同社の国内粗鋼生産全体に占めるシェアは3%未満(同社まとめ、 08年度時点)だが、他社に先駆けて公表するため、国内外の鉄鋼メーカ ーが参考指標とみなす傾向がある。

15日午前の東京製鉄の株価終値は、前日比0.3%高の986円。年初来 では5.7%下落だった。

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