為替介入に「単独の限り株反転ない」「二の矢が必要」-日本株関係者

政府と日本銀行は、15日の東京外 国為替市場で6年半ぶりに円売り・ドル買い介入を実施、15年ぶりの 円高が日本経済に与える打撃を食い止めようと行動に移した。8月以降 の日本株の下落要因の1つは円高への警戒だったため、今後は為替、株 式のトレンド変化も予想されるが、日本株市場の関係者らは円安、株高 の継続性に疑問の声が多いようだ。

ユナイテッド投信投資顧問の井上淳最高投資責任者(CIO)は、 為替介入による日本株相場への影響について「ファンダメンタルズが変 わるわけではなく、単独で行っている限り、これに反応して株が反転す ることにはならないだろう」と指摘。介入は円高のスピードを遅くする だけで、「過去に日本株がこれで反転したことはない」と述べた。

投機筋がドルを戻りで売って来る可能性もあり、「為替は逆にボラ ティリティ(価格変動性)が上昇しかねない。フロー的に資本収支が黒 字の円が強くなるのは仕方がない状況だ」とも、井上氏は話している。

みずほ投信投資顧問の岡本佳久執行役員は、午前の取引後半から急 騰基調にある日本株の動きについて「円高警戒が最大のマイナス要因だ っただけに、介入でひとまず円高進行の流れを断ち切ったことが評価さ れた」と解説。その上で、政府と日銀の協調で円安トレンドに導くこと ができれば、「ショートカバー(売り方の買い戻し)主体に、日経平均 株価で早期に1万円まで回復できるだろう」と予想した。

住友信託銀行の瀬良礼子マーケット・ストラテジストは、為替介入 の実施を「対ドルでの円最高値が接近し、菅首相が民主党代表選で信任 を受けたことで介入の環境が整った」と分析する。効果が続くかどうか は、「今夜の海外時間で海外投資家がどう反応するかにかかっている」 とし、このまま為替が反転すれば「最大の懸念材料が後退し、輸出関連 株には買い戻しが入りやすくなる」と見る。

しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹投信グループ長は、 企業の今期(2011年3月期)業績の想定レートが1ドル=85円から90 円付近にある点に言及。「80円を超える円高になると、下期業績に対 する不透明感が強くなる」とし、介入によるいったんの歯止めを好感し たが、「これをもって流れが変わる、というところまでには至らない」 と述べ、単独介入で流れが変わるかは不透明と読む。

株式市場に存在する米国の景気減速懸念に関しても、「過度の悲観 論は後退してきているが、以前見ていたよりは回復が遅れるというのが コンセンサスになりつつあり、そういう面からの景気の回復感、スピー ド感は遅くなる」と藤原氏は指摘した。

丸三証券の牛尾貴投資情報部長は、「断続的な介入を含めて、二の 矢、三の矢を打ち出して円高修正の流れをつくり出すことが大事。そう すれば株高トンドに導くことが可能」と述べ、日本の政策当局の姿勢を さらに見守っていく意向だ。

--取材協力:長谷川敏郎、久保山典枝Editor:Shintaro Inkyo、 Makiko Asai

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