「前兆のない心臓発作」か、米企業年金の赤字が大幅増-利回り低下で

米国の企業年金の資産から将 来の退職者向け債務を引いた赤字額が、月間ベースで10年ぶりの 大幅増となった。景気減速に加え、社債利回りが過去最低水準にあ ることが背景。

アクチュアリーやコンサルタント業務を手掛けるミリマンの14 日の発表によれば、全米上位100位までの規模を持つ企業年金の合 計資産から将来債務を引いた額は、8月に4598億ドル(約38兆 2200億円)の赤字と、赤字幅が前月比1080億ドル拡大した。

調査・コンサルティング会社CTキャピタルのケネス・ハッケ ル社長は、この赤字について「前兆のない心臓発作のようなものだ」 と表現。「患者が倒れるまで、人々はその兆候に気付いていない」 と警告した。

ミリマンによると、将来債務を決定する際の指標である「AA」 格付け企業の社債利回りが8月に過去最低水準に低下する中、企業 年金債務は910億ドル増の1兆5400億ドルに拡大した。具体的な 企業名には触れていない。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によれ ば、AA格付け企業の社債利回りは先月、2.81%に低下。2009年 末は3.9%、08年は平均5.8%だった。