IEA:原油価格、輸送燃料や新興市場の需要増で需給から乖離

国際エネルギー機関(IEA)の チーフエコノミスト、ファティ・ビロル氏は、輸送燃料や新興市場の原 油需要が高まる中で原油価格が需給から乖離(かいり)しているとの見 方を示した。

ビロル氏はモントリオールで開かれた世界エネルギー会議で、価格 が上昇すると消費者は燃料消費を調整し、投資家は供給に影響を与える 決定をする可能性が高くなると演説した。

ビロル氏は「今後数年間の原油市場を理解する上で、このことは非 常に重要だ。過去数十年間と比べ、原油需要の伸びが鈍化するには価格 上昇が必要になっている」と述べた。

ビロル氏は過去5年間で、世界の原油需要の伸びの約90%が自動 車、トラック、航空機を含む輸送部門で占められるようになっていると 指摘。これは石油燃料が産業、家庭暖房、発電に使われていた時代とは 大きく違ってきていると説明した。

ビロル氏は「価格が上昇しても、自動車の代替燃料は今はない。発 電については、原油価格が上昇すればガス、原子力、以前なら石炭で代 替しただろう。輸送部門に関しては、燃料はかなり固定化されている」 と語った。

ビロル氏によると、燃料に補助金が出ている中国、インド、中東と いった新興市場諸国では現在、消費が増加しており、コストが高くなっ て補助金制度の見直しがあるまでは実需が価格に大きな影響を与えにく くなっているという。