野田日銀委員:下振れリスク顕現化なら迅速果断に政策実行

日本銀行の野田忠男審議委員は15 日午前、下関市内で講演し、仮に下振れリスクが顕現化し、経済情勢 の見通しが著しく悪化するがい然性が高まり、デフレからの脱却まで の道のりが不確かなものになったと判断される場合は、「必要と判断さ れる政策手段を迅速かつ果断に実行しなければならない」と述べた。

野田委員は国内経済について「設備や雇用になお過剰感を残して おり、収益が顕著な改善をしている割には、企業は支出活動に慎重な 姿勢をなかなか崩しておらず、こうしたことから、民需の自律的な回 復がはっきりと展望できるまでには至っていない」と語った。

さらに、景気の先行きについて「輸出の増加が続く下で、ならせ ば緩やかな回復を続ける」との見方を示す一方で、「このところ為替が 円高傾向にある」ことなどから、輸出の増加ペースは「当面緩やかな ものにとどまりそうだ」と指摘した。野田佳彦財務相は同日午前、財 務省内で会見し、急速な円高進行を受け、同日午前10時35分に円売 りドル買いの為替市場介入を実施したことを明らかにした。

野田委員は個人消費について「エコ関連各種経済対策の反動が避 けがたいとみられる」ことから、「経済活動の増勢が一時的には鈍化す ることが見込まれる」と語った。その上で、日本経済の先行きについ て「見通しには常に不確かさがつきまとっている。誤解を恐れずに言 うと、不確かなことは枚挙にいとまがない」と述べた。

欧州金融市場は再び不安定化

野田委員は米国経済については「回復ペースは、年内はいったん は減速するものとみられる」としながらも、「回復の流れそのものは崩 れないものとみられる」と述べた。欧州の金融市場については「足元、 アイルランドにおける財政問題の再燃をきっかけに、再び不安定化し ている」と語った。中国経済については「来年以降も高めの成長は維 持されるとみている」と述べた。

日銀は先月30日の臨時の金融政策決定会合で、政策金利(0.1%) で資金を供給する新型オペ(固定金利方式の共通担保資金供給)を20 兆円から30兆円に引き上げ、うち10兆円の供給期間を6カ月とする ことを決めた。7日開いた金融政策決定会合では、政策金利、新型オ ペの資金供給額ともに据え置いた。

--共同取材:下土井京子 Editor: Norihiko Kosaka, Joji Mochida, Hitoshi Ozawa

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