NY外為:ドル一時82円台、ほぼ全面安-米緩和策観測で

ニューヨーク外国為替市場では ドルが円に対して15年ぶり安値に下落。腰折れが懸念される景気回 復を持続させようと、米連邦準備制度理事会(FRB)が年内に新た な国債購入プログラムを導入するとの観測が強まったことが背景。

ドルは主要16通貨中の15通貨に対して値下がり。スイス・フ ランに対しては昨年12月以来初のパリティー(等価)水準に下落し たほか、ユーロに対しては8月11日以来となる1ユーロ=1.30ド ルまで下げた。円はドルに対して1995年以来初めて83円を割り込 んだ。14日に行われた民主党代表選挙で、菅直人首相が小沢一郎前 幹事長を破り再選されたことで、日本政府が円高抑制に向けた介入を 実施する可能性が低下したとの見方が広がった。ユーロは過去2日間 で2.5%上昇と、2日間の上げとしては2.7%高となった7月2日 以来の最大となった。

ウエストパック銀行のシニア通貨ストラテジスト、リチャード・ フラヌロビッチ氏(ニューヨーク在勤)は、「ドル安は米国債利回り の低下や総じて堅調にみえる米株式相場の下落といった、もっと大き な事象から派生した副産物に過ぎない」と指摘。「FRBが新たな金 融緩和策を講じるとの観測は、ドルにとって絶えず付きまとうリスク の根源だ」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時10分現在、ドルは円に対して前日比

0.7%安の1ドル=83円10銭。一時は82円93銭と、8月31日 以来の大幅下落となり、円は95年5月以来の高値となった。ユーロ はドルに対して0.9%高の1ユーロ=1.3004ドル。

FRBの動向

米ゴールドマン・サックス・グループのエコノミストは、FRB が早ければ11月にも景気下支えに向けた資産購入プログラムを発表 すると見込んでいる。ゴールドマンの米国担当チーフエコノミスト、 ジャン・ハッチウス氏は、量的緩和第2弾に踏み切った場合の国債購 入の総額は約1兆ドルに達する可能性があるとの見方を示した。

ゴールドマンは、景気の腰折れを理由に米国債利回りが2010年 に低下すると予測し、的中させた。米10年債利回りは2.5%で今年 を終了するとの見通しを示している。

スイス・フランはほとんどの主要16通貨に対して上昇。ドルに 対しては一時前日比1.2%高の1ドル=0.9958スイス・フランと、 昨年12月4日以来となる等価に達した。ユーロに対しては0.2%高 の1ユーロ=1.2948スイス・フラン。

資源国通貨が高い

この日はスウェーデン・クローナのほか、ノルウェーやオースト ラリアといった資源国通貨など、経済成長との結びつきが強い通貨が 上昇。株価や素材価格の値上がりが追い風になった。

スウェーデン・クローナとノルウェー・クローネはいずれもドル に対して1.2%高。オーストラリア・ドルは米ドルに対して一時

0.9%高の1豪ドル=94.46米セントと、08年7月以来の高値を付 けた。

みずほフィナンシャル・グループの米通貨セールス担当責任者、 ファビアン・エリアソン氏は、「ドル全面安の展開が続いている」と 指摘。「リスク選好のシナリオだ」と述べた。

ブルームバーグ相関加重通貨指数によると、円は年初来14%高 と、先進国10カ国通貨中で上昇率トップとなっている。

日本の政治

民主党代表選では、現職の菅直人首相が小沢一郎前幹事長を破り、 再選された。代表選は同党所属の国会議員と地方議員、党員・サポー ターが投票し、菅首相は721ポイント、小沢氏は491ポイントを獲 得した。

小沢前幹事長は先週、日本単独の介入はなかなか効果が上がらな いが、日本だけでも介入に踏み切るくらいの覚悟が必要との認識を示 していた。

日本政府が為替市場に介入する可能性は小沢氏の敗退にもかかわ らず2倍に拡大したと、JPモルガン・チェースは指摘した。

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