9月14日の米国マーケットサマリー:ドル一時82円台、金は最高値

ニューヨークの為替・株式・債 券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)

為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.3001 1.2883 ドル/円 83.08 83.71 ユーロ/円 108.02 107.83

株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 10,526.49 -17.64 -.2% S&P500種 1,121.10 -.80 -.1% ナスダック総合指数 2,289.77 +4.06 +.2%

債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .50% -.03 米国債10年物 2.66% -.09 米国債30年物 3.78% -.07

商品 (中心限月) 終値 前営業日比 変化率 COMEX金(ドル/オンス) 1,271.70 +24.60 +1.97% 原油先物 (ドル/バレル) 76.79 -.40 -.52%

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではドルが円に対して15年ぶり安値に 下落。腰折れが懸念される景気回復を持続させようと、米連邦準備制 度理事会(FRB)が年内に新たな国債購入プログラムを導入すると の観測が強まったことが背景。

ドルは主要16通貨中の15通貨に対して値下がり。スイス・フ ランに対しては昨年12月以来初のパリティー(等価)水準に下落し たほか、ユーロに対しては8月11日以来となる1ユーロ=1.30ド ルまで下げた。円はドルに対して1995年以来初めて83円を割り込 んだ。14日に行われた民主党代表選挙で、菅直人首相が小沢一郎前 幹事長を破り再選されたことで、日本政府が円高抑制に向けた介入を 実施する可能性が低下したとの見方が広がった。

ウエストパック銀行のシニア通貨ストラテジスト、リチャード・ フラヌロビッチ氏(ニューヨーク在勤)は、「ドル安は米国債利回り の低下や総じて堅調にみえる米株式相場の下落といった、もっと大き な事象から派生した副産物に過ぎない」と指摘。「FRBが新たな金 融緩和策を講じるとの観測は、ドルにとって絶えず付きまとうリスク の根源だ」と述べた。

ニューヨーク時間午後2時27分現在、ドルは円に対して前日比

0.7%安の1ドル=83円9銭。一時は82円93銭と、8月31日以 来の大幅下落となり、円は95年5月以来の高値となった。ユーロは ドルに対して1.1%高の1ユーロ=1.3020ドル。

◎米国株式市場

米株式相場は小幅安。バンク・オブ・アメリカ(BOA)が200 億ドル相当の住宅ローン買い戻しを迫られるとの懸念から売りが優勢 になった。一方、ハイテク株は高い。

BOA株は1.9%下げ、S&P500種株価指数の銀行株指数は 24産業で最も下落した。ローンの評価損で10億ドル超を計上する と発表した地銀のBB&Tは急落。

一方、シスコシステムズは初の配当決定を発表して0.9%上昇。 ヒューレット・パッカード(HP)も高い。金相場がオンス当たり

1276.50ドルと、過去最高値を更新したことを好感し、ニューモン ト・マイニングは4%上昇した。

ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種株 価指数は5日ぶりに下げ、前日比0.1%安の1121.10。ダウ工業株 30種平均は17.64ドル(0.2%)下げて10526.49ドル。

ラッセル・インベストメンツの主任市場ストラテジスト、スティ ーブン・ウッド氏(ニューヨーク在勤)は、「経済指標はまとまりが なく、強弱まちまちだ」と指摘。「最近の値動きはかなり速かった。 経済環境は引き続き非常に振れが大きい。値動きが荒い状態が続くだ ろう」と述べた。

◎米国債市場

米国債相場は上昇。10年債利回りはここ1週間で最大の低下。米 連邦準備制度理事会(FRB)が借り入れコストを抑え、景気を浮揚 させるために年内にさらに国債購入プログラムを発表するとの観測が 背景。

この日はドルが対円で15年ぶり安値をつけたことから、海外 投資家にとっては国債が割安になったことも米国債相場の上昇に つながった。10年債の2年債に対する上乗せ利回りは縮小した。 前日は、国債購入プログラムの再開が明らかになった8月の連邦 公開市場委員会(FOMC)以来の最大まで利回り格差が広がっ た。

プライマリーディーラーの一角であるロイヤル・バンク・オ ブ・カナダの米国債トレーディング責任者、トーマス・トゥッチ 氏は、「市場参加者はまだ米国債に対してアンダーウエートだ」と 述べ、「海外投資家は支援策がある限り、米国債を買いだと考えて いる。米国債には価値があるとみている」と続けた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨー ク時間午後4時6分現在、10年債利回りは前日比9ベーシスポイ ント(bp、1bp=0.01%)低下の2.67%。同年債(表面利 率2.625%、2020年8月償還)価格は23/32上げて99 5/8。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は一時オンス当たり1276.50ドルを付け、 過去最高値を更新した。世界経済と金融市場の混乱から、金に資金を 逃避させる動きが強まった。

金は年間ベースで10年連続プラスに向かっており、値動きの 荒いドルやユーロのヘッジとして買いを集めている。今年の金のパ フォーマンスは大半の株や債券よりも高い。米連邦準備制度理事会 (FRB)と欧州中央銀行(ECB)は景気回復を支えるため、政 策金利を過去最低に設定している。

ラサール・フューチャーズ・グループのトレーダー、マシュ ー・ジーマン氏(シカゴ在勤)は、「ひとえに混乱から金に投資資 金が集まっている」と指摘。「市場参加者は後で後悔するよりはと、 安全な取引を選好し、強弱まちまちの米経済統計発表が続く中、保 険として金を買うだろう」と語った。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先 物相場12月限は前日比24.60ドル(2%)高の1オンス=

1271.70ドルで取引を終了。中心限月としては2月16日以来の大 幅高となり、終値ベースでも過去最高値を更新した。これ以前の日 中取引の最高値は6月21日に付けた1266.50ドル。

◎原油先物市場

ニューヨークの原油先物相場は3営業日ぶりに下落。エンブリッ ジ・エナジー・パートナーズが、10日に稼動を停止したパイプライン の修復作業を開始したことが手掛かりとなった。

原油は一時1.3%下落。エンブリッジはカナダ産原油を米中西部 の製油所に輸送するパイプライン「6A」の修復作業を開始した。同 パイプラインの輸送能力は日量67万バレル。それまでの相場は上昇 していた。ドルが円に対して15年ぶりの安値、また対ユーロでは1 カ月ぶりの安値を付けたことで商品への投資妙味が強まったことが背 景だった。

エネルギー顧問会社、オイル・アウトルックス・アンド・オピニ オンズ(ヒューストン)のカール・ラリー社長は、「エンブリッジの パイプラインがどうなるか、皆が様子見を決め込んでいる」と指摘。 「関連するニュースが出てくれば、それがどんなものでも相場を動か すだろう」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物10月限は前 日比39セント(0.51%)安の1バレル=76.80ドルで取引を終了。 前日は77.19ドルで引け、終値ベースでは8月11日以来の高値だっ た。

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