菅政権続投でも日本の為替介入の確率は2倍に-JPモルガン

JPモルガンのアナリストによれ ば、民主党代表選で円安を求める候補が敗れたにもかかわらず、日本 が為替市場に介入する可能性は倍増した。

菅直人首相は同党代表選で輸出支援のため約6年ぶりの市場介入 を訴えた小沢一郎前幹事長を破った。菅首相は特に円売りを語っては いないが、先週15年ぶりの円高を抑えるため必要なら行動する用意が あると述べていた。

元日銀マンでJPモルガン・チェース銀行為替資金本部の佐々木 融チーフFXストラテジストは「政治的には安定した。前と比べると (介入が)やりやすくなったのではないかということ。ただ依然とし て確率は低く、メーンシナリオとしては置いていない」との見方を示 した。介入の確率は民主党代表選の後に30%に2倍に上がったという。

円相場は14日、対ドルで一時83円09銭と15年ぶりの高値を更 新、輸出主導による景気回復を脅かしている。一方、この日発表され た7月の鉱工業生産(確報値)は前月比0.2%低下と、速報値段階の 同0.3%上昇から下方修正され、2カ月連続の低下となった。

他のアナリストも、菅首相の続投にもかかわらず、円が引き続き 上昇するなら、介入の可能性が高まるとの見方だ。バークレイズ銀行 の山本雅文チーフFXストラテジストは13日付のリポートで円高が さらに進行した場合、「政府・日銀は円売り介入に踏み切る公算が大き いとみられる」と指摘。「景気減速とデフレを克服するには円売り介入 以外の政策手段がほとんどない」と述べている。

野田佳彦財務相は先週、「市場の動向を重大な関心を持って見てい るなかで、必要な時には断固たる措置を取るという方針に変わりはな い」と、介入も辞さない姿勢をあらためて示した際に、外為特別会計 の為替差損が7月末の試算(1ドル=85円)で約32兆円に上ること を明らかにした。

協調介入でなければ効果続かず

また、一部のアナリストは海外諸国との協調介入でなければ日本 が介入しても円安効果は長続きしないと指摘。しかも協調介入の可能 性は小さいとみる。クレディ・スイス証券の白川浩道チーフエコノミ ストは日本が介入に動く可能性はほとんどない」という。同氏は「介 入は債務の増加、アメリカとの関係悪化を招く半面、市場に対しての 効果はほとんどない。現時点ではやる意味があまりない」と指摘する。

円の対ドル相場は今年に入って約12%切り上がっており、14日午 後8時3分現在、1ドル=83円23銭で推移している。

日本銀行の白川方明総裁は10日、円高の影響が大きいことは認識 しているとし、為替について国際的な場で問題提起することは重要と の考えを示した。

JPモルガンの佐々木氏は「もし2週間以内に何もない場合は、 (介入の)確率は15%に戻る」と予想。「普通に考えてみれば、これ だけ大きな為替市場をコントロールするのはほぼ不可能」と言う。

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