米シティ:欧州での投資銀行事業でシェア急減-株・債券・合併助言で

米銀シティグループは、欧州での 投資銀行事業で市場シェアが縮小している。人材流出が響き、合併の 助言と株式および債券の引き受けで順位を下げた。

シティの欧州部門では今年、少なくとも12人のマネジングディレ クターが退社。バンク・オブ・アメリカ(BOA)や英バークレイズ の投資銀行部門に移籍した。シティは欧州の合併案件への助言で8位 と、1位から転落した。

ロッチデール・セキュリティーズのアナリスト、リチャード・ボ ーブ氏は「シティの現在の第1目標はバランスシートを修復し正しく 機能していることを市場に示すことだ」とし、「それができるまでは他 のすべては二次的な課題にすぎない」と話している。

今年の欧州・中東・アフリカの新規株式公開(IPO)での業務 はゼロ。2009年は1件だった。06-08年には上位10社に入っていた。 ブルームバーグのデータによれば、今年の域内IPO件数は85件。

米国での企業の合併・買収(M&A)助言でもシティは今年9位 と昨年の5位から順位を下げた。アジア太平洋地域では17位(昨年は 4位)。世界では8位(同3位)。金額ベースでは約1570億ドル(約 13兆800億円)。これに対し首位の米ゴールドマン・サックス・グル ープは3050億ドルだ。

シティのロンドン支店の元バンカーは匿名を条件に、案件の流れ が細っていることやシティが西欧以外の市場に注力していること、ボ ーナスが減少する見込みであることが移籍の理由だと話した。

顧客

シティは電子メールで「一部の従業員の退社はむしろ歓迎される ものだった」とし、「当行は重要な幹部を数多く採用したし、今後2、 3週間にさらに重要な採用について発表する見込みだ」と説明した。

シティの世界での助言業務と債券・株式引き受けによる収入は4 -6月(第2四半期)に42%減の6億7400万ドルとなった。JPモ ルガン・チェースは37%減の14億1000万ドル。モルガン・スタンレ ーの投資銀行業収入は21%減だった。

カス・ビジネス・スクール(ロンドン)のスコット・モーラー教 授は「顧客担当の幹部が流出している場合、顧客も一緒に流出するの は驚くに当たらない」と述べた。

バークレイズ・キャピタルは09年にトーマス・キング氏らシティ の幹部を採用。10年にもリード・マーシュ氏らがシティからバークレ イズに移った。そのほかオーストラリアのマッコーリー・グループや BOAに人材が流れている。