今日の国内市況:株反落、債券続伸、円は15年ぶり高値-菅氏再選

東京株式相場は小幅ながら4営業 日ぶりに反落。外国為替市場で円が対ドルで約15年ぶりの高値を更新 し、採算悪化懸念から自動車、ガラス・土石製品、電機、ゴム製品と いった輸出関連業種に売りが優勢となった。

一方、良好な欧州経済統計や原油先物高を受けた世界景気への期 待で大手商社株が堅調。国際的な自己資本新規制の詳細が決まり、当 面の増資懸念の後退で前日買われた銀行株が続伸し、相場を下支えし た。

日経平均株価の終値は前日比22円51銭(0.2%)安の9299円31 銭、TOPIXは同2.78ポイント(0.3%)安の834.87。両指数とも 上昇する場面もあるなど、方向感を欠く展開だった。

東京外国為替市場ではこの日午前に円買いが加速、一時1ドル= 83円25銭と1995年5月31日以来の円高値を更新した。ユーロ・円 相場も一時1ユーロ=107円を割り込み、106円99銭まで円が上昇。 前日の海外市場で付けた4日ぶりの円安値(107円94銭)から約1円 値を戻した。円高が輸出企業の収益を圧迫するとの懸念が広がり、輸 送用機器やガラス・土石製品、ゴム製品、電機、機械など輸出関連業 種に売りが優勢となった。

一方、欧州連合(EU)の欧州委員会は13日公表した半期経済見 通しで、ことしのユーロ圏成長率を1.7%と予想した。従来予想は

0.9%。レーン欧州委員は発表資料で、景気は「明らかに回復しつつあ る」とし、「内需の回復は雇用市場にとって良い兆候」と指摘した。

ユーロ圏成長率の上方修正を受ける形で、世界景気に敏感な大手 商社株が終日堅調。三菱商事や伊藤忠商事、丸紅が高い。商社株には 海外原油市況高も支援材料となった。13日のニューヨーク商業取引所 では原油先物相場が前週末比1%高の1バレル=77.19ドルで終えて いた。

このほか、三菱UFJフィナンシャル・グループと三井住友フィ ナンシャルグループが続伸。国際決済銀行(BIS)のバーゼル銀行 監督委員会が12日、国際業務を行う銀行の健全性を維持する新たな自 己資本規制を発表。事前の報道に沿う内容となり、資本増強に向けた 将来の増資に対する警戒感が後退、買いが続いた。

東証1部の売買高は概算で15億4212万株、売買代金は1兆494 億円。騰落銘柄数は値下がり887、値上がり582。業種別33指数は27 業種が下落、6業種が上昇。

債券は続伸

債券相場は続伸。20年利付国債の入札結果が無難な内容だったこ とから、午後の取引で買い優勢の展開となった。民主党代表選挙で菅 直人首相が再選されたことから財政規律が維持されるとの観測から長 期債を中心に一段と買い進まれた。

民主党は14日午後、東京都内で開いた臨時党大会で、任期満了に 伴う代表選を行い、現職の菅首相が小沢一郎前幹事長を破り、再選さ れた。市場では小沢前幹事長が代表選への出馬を固めて以降に財政拡 張リスクが意識されたため、菅首相再選を受けて買いが優勢の展開と なっている。

実際、東証夜間取引の先物12月物には菅首相再選の報道後に買い が膨らんだ。一時は141円70銭台まで上昇して、午後3時までの通常 取引の終値141円38銭を上回って推移している。

東京先物市場の中心限月の12月物は前日終値と同じ141円28銭 で始まり、午前には141円20銭台を中心としたもみ合いとなった。そ の後、午後の取引開始直後にこの日の安値141円15銭まで下げたが、 20年債の入札結果発表後は上昇に転じた。一時は20銭高の141円48 銭まで切り返しており、結局は10銭高の141円38銭で取引を終えた。

民主党代表選前に実施される20年債入札への懸念から売りが先 行したが、入札結果が無難な内容となったことから買い優勢となった。

もっとも、その後は民主党代表選の結果発表を待つ姿勢から取引 手控えの雰囲気が強まった。今回の代表選では菅首相と小沢氏が一騎 打ちの様相となっており、市場では、2009年衆院選のマニフェスト(政 権公約)について柔軟姿勢とされる菅首相が勝てば債券買いが優勢と なり、一方、公約実現に積極的である小沢氏勝利の場合に当初は債券 売りで反応するとの見方が有力だった。

一方、午前の東京外国為替市場で円が対ドルで約15年ぶり高値を 更新したことを受けて、債券市場では先物買いが優勢になる場面もあ った。

20年債入札が市場の懸念に反して無難な結果だったことが、午後 の取引で買いが入るきっかけとなった。

20年物の121回債(9月発行)の入札結果は、最低落札価格が99 円00銭、平均落札価格は99円20銭だった。最低価格は事前の市場予 想と同水準に決まり、最低と平均価格の差であるテールは前回債の8 銭から20銭に拡大。応札倍率は2.86倍から4.56倍に上昇した。

現物市場で新発10年物の310回債利回りは、前日比1ベーシスポ イント(bp)高い1.155%で開始。その後は1.15-1.16%での推移と なり、午前の取引終盤には2bp高の1.165%を付けた。しかし、午後 の20年債の入札結果発表後には買いが入って、2時前以降には1.13 -1.135%で推移。民主党代表選で菅首相が再選されるとさらに買われ て、一時は1.10%まで低下した。

円が約15年ぶり高値更新

東京外国為替市場では円が対ドルで約15年ぶり高値を更新した。 注目の民主党代表選を控えて朝方から円買いが先行。午後に菅直人首 相の再選が判明すると、円売り介入への警戒感が弱まり、円は一段高 となった。

ドル・円相場は一時、1ドル=83円9銭まで円高が進行。1995 年5月以来の円高値を塗り替えた後は、83円台前半でもみ合う展開と なった。

ドル・円相場は83円台後半でこの日の取引を開始。機関投資家な どの円買いが指摘されるなか、徐々に円高が加速し、午前10時前には 一時83円25銭を付けた。

その後は午後2時から始まる民主党の臨時党大会を前に83円台 前半でのもみ合いが継続。国会議員の投票が続くなか、午後3時すぎ にはオプション絡みのドル買いが出たとされ、円は一時、83円70銭 前後まで反落する場面も見られた。

しかし、午前3時半ごろに投票結果が読み上げられ、菅首相の再 選が濃厚となると、円買いが再燃。最終結果が判明した直後に83円9 銭まで円高が加速した。

ユーロ・円相場も1ユーロ=107円台後半から一時、107円ちょう ど付近まで円が上昇。ただ、午前に付けた円高値(106円99銭)には 届かず、その後107円台半ば付近まで値を戻している。

円主導の展開のなか、ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.28ドル台 後半でもみ合っていたが、欧州市場に向けては一時、1.2910ドルまで ユーロ買いが進行。1.29ドル台を付けるのは6日以来、6営業日ぶり となる。

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