FRB議長の景気認識、大規模な米国債買い入れ再開の決定を左右も

米連邦準備制度理事会(FRB) が景気拡大に向けて大規模な米国債買い入れの再開を検討する中、バ ーナンキ議長による2011年の成長率見通しは、普段より大きな影響力 を持つかもしれない。

7月までFRBの金融問題担当スタッフだったロベルト・パーリ 氏は、バーナンキ議長は個人的見解よりもグループによる意思決定を 尊重するため、連邦公開市場委員会(FOMC)の決定を指図するこ とはほとんどないと指摘する。ただ9月21日のFOMCは事情が異な るかもしれない。

バークレイズ・キャピタルの米国担当チーフエコノミスト、ディ ーン・マキ氏は、大規模買い入れ再開の是非について「バーナンキ議 長はこの決定で主導権を握ることになる。FRB内で意見が分かれる と、議長の影響力は大きくなる」との見方を示した。

FRBの追加措置に反対しているのは、リッチモンド連銀のラッ カー総裁とダラス連銀のフィッシャー総裁、カンザスシティー連銀の ホーニグ総裁だ。今年のFOMCで議決権を持つメンバーのホーニグ 総裁は年初から一貫してFOMCの決定に反対票を投じている。

景気見通しもまちまちだ。サンフランシスコ連銀のエコノミスト は来年の成長率を3.5-4%と予測。ミネアポリス連銀は2.8%を見込 んでいる。

現在は国際戦略投資グループ(ワシントン)の政策調査ディレク ターを務めるパーリ氏は「結局のところ、バーナンキ議長が何をした いのか、それにどのくらい景気が弱まるかと考えているかにかかって いる」と指摘した。

ソフトパッチ

年初から失業率が9%を超え高止まりしているのが響き、4-6 月期の国内総生産(GDP)は前期比年率1.6%成長にとどまった。 バーナンキ議長が現在のソフトパッチ(軟化局面)を一時的、長期的 のどちらとみているのかが、FOMCが新たな経済指標の発表を待つ のか、または米国債の追加買い入れに踏み切るのかを決める際の前提 になる。

パーリ氏は、総資産が過去最高の2兆3500億ドル(約196兆円) 近くに達しているFRBの「バランスシートを拡大すべきかどうかが 討議の中心になる」との見通しを示した。

ゴールドマン・サックス・グループのエコノミスト、スベン・ジ ャリ・ステーン氏は、FRBは「少なくとも」1兆ドルの米国債を買 い入れる可能性があると指摘。「かなりの規模の米国債の買い入れ」が 年内か来年初めに始まるとの見通しを示した。

「非伝統的手段」

バーナンキ議長は先月、ワイオミング州ジャクソンホールで開か れたシンポジウムで、11年の景気上向きへの前提条件は「引き続き整 っているように見受けられる」と説明。一方で見通しの不確実性に警 戒感を表し、「高い失業率が長引くとみられていることが、引き続き政 策上の主な懸念要因になっている」と指摘した。

バーナンキ議長はまた、「FOMCは、必要と判断されれば、非伝 統的手段を通じて追加の金融緩和策を講じる用意がある。景気見通し が著しく悪化した場合には特にそうだ」と述べた。

こうした発言を受けてエコノミストらは、緩慢な経済成長に対し てFRBが行動しないなら驚きだと指摘する。

JPモルガン・チェースの米国チーフエコノミスト、マイケル・ フェロリ氏は「FRBが11年の成長率を3%未満とみているなら、追 加措置を取る必要があることを自らの使命と受け止めることになろう」 と語った。同氏は来年の成長率を2.4%と予想している。

-- Editors: Christopher Wellisz, James Tyson

--* 参考画面: 翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先: 東京 柴田 広基 Hiroki Shibata +81-3-3201-8867 hshibata@bloomberg.net Editor: Fumihiko Kasahara 記事に関する記者への問い合わせ先: Craig Torres in Washington at +1-202-654-1220 or ctorres3@bloomberg.net; Caroline Salas in New York at +1-212-617-2314 or; csalas1@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: Christopher Wellisz at +1-202-624-1862 or cwellisz@bloomberg.net

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