米ハイブリッド債投資家が勝者-新自己資本規制で繰り上げ償還の恩恵

国際展開する銀行に対する新たな 自己資本規制導入で最も恩恵を受ける勝者は、損失に備えて銀行が発 行するハイブリッド債の投資家となりそうだ。

ブルームバーグのデータによると、イタリアの銀行最大手ウニク レディトの5億ユーロ(約540億円)の2020年償還条項付き債券(表 面利率9.375%、満期日なし)の価格は額面1ユーロ当たり0.0061ユ ーロ上昇の1.0126ユーロと、7月の発行後で最高値を付けた。米金融 取引業規制機構(FINRA)の債券価格報告システム、トレースに よると、米銀ウェルズ・ファーゴの永久債(表面利率5.8%)は額面 1ドル当たり0.75セント高の87.5セントと、4月以来の高水準。

主要国の銀行監督当局で構成するバーゼル銀行監督委員会の12 日の発表によると、3年後以降は、こうしたハイブリッド債は最初の 繰り上げ償還日が過ぎると資本に算入できなくなる。このため、銀行 は他の資金調達手段よりも利回りが上回っていれば、償還するインセ ンティブが出てくることになる。

マトリックス・コーポレート・キャピタルの債券共同責任者、ジ ェームズ・セント・ジョンストン氏(ロンドン在勤)は「満期日がな い債券は13年以降、資本としての信用が低下する」とし、これは「発 行体にとって、償還に動く明確な経済的要因となる」と述べた。

現行のバーゼルII(自己資本比率規制)では、債券と株式の両方 の性格を併せ持つハイブリッド債は銀行資本と見なされる。ハイブリ ッド債を含む中核的自己資本(Tier1)の証券の発行額は1999 年以降約1兆ドルに上っている。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)の指数によると、米国のハイ ブリッド債などのリターンは今月に入り0.974%だが、社債はマイナ ス0.315%となっている。

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