HIS株急反落、競争激しく今期営業利益を計画比12%減額(Update2)

格安航空券のパイオニアで、海外 旅行取扱高第2位のエイチ・アイ・エス株が一時、前日比10%安の1752 円と急反落。日中下落率は、昨年4月27日(10.6%)以来の大きさと なった。業界内競争の激化で売上高が減ったことを理由に、今期業績 予想を前日に下方修正したため、収益環境の先行きを不安視した売り で、終値は1760円と約3カ月ぶりの安値に沈んだ。

同社が13日の取引終了後に発表した決算短信によると、2010年 10月通期の連結営業利益予想を従来計画比12%減額し、前期比12% 減の63億円に見直した。航空需要の回復に伴い航空座席の確保、価格 競争が業界内で厳しくなり、売上高が減少したことが響く。09年11 月 -10年7月(第3四半期)の売上高は前年同期比2.1%増の2369 億 円、営業利益は同47%減の19億円、純利益は同比61%減の6億4000 万円だった。

また同社は、急激な為替相場の変動による為替差損12億9000万 円を営業外費用として第3四半期連結会計期間に計上することも発表。 第3四半期連結累計期間にも、同様の理由で為替差損21億3200万円 を営業外費用として計上する。

野村証券の大庭正裕アナリストは、「同社の格安旅行の売り上げは 今でも好調だが、高い商品が発生しやすい事業環境である」と指摘。 格安ブランドとして一強時代を築いてきたが、為替の影響を受けて他 社は安い商品を出しやすいのに対し、同社はドル・円をヘッジしてい るため、マージンを削り販売しなければならず、消費者の目が厳しく なる中、「今までよりは価格優位性が衰えてきている」と分析した。

ただ大庭氏は、為替差損で生じた約22億円を今回すでに計上した ことや、黒字化したハウステンボスの夏休み期間中の入場者数が前年 同期比38%増だった点などプラス要因にも言及。今後、「モメンタム は良くなっていき、脱却していくだろう」との認識を示し、HISの 投資判断を「1(買い)」としている。