NEC:日産自と合弁のEV用電池、ライバルからも引き合い

日産自動車とNECの合弁会社、オ ートモーティブエナジーサプライ(AESC、神奈川県座間市)が生産 する電気自動車(EV)用リチウムイオン電池に、他の自動車メーカー からも引き合いがきている。NECと日産は将来的に多くのライバルメ ーカーにも電池を販売することで量産効果・コスト低減を実現し、収益 性を高める方針だ。

NECの環境エネルギー事業を統括する国尾武光常務(55)は13 日 のブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、「日産以外の車 メーカーにもAESC製電池を評価してくれている顧客が当然現れて おり、ポテンシャルのある顧客から問い合わせが来ている」と述べた。 AESC広報担当の田代亘氏も「他の自動車メーカーから引き合いがあ る」と話した。

NECは車用リチウムイオン電池の中核部品である電極を生産し、 AESCに納入している。電極を中心とした自動車用エネルギー事業の 売上高は09年度の数十億円から12年度には1000億円に拡大する予定 で、ほぼすべて日産向けの見込み。額は明らかにしなかったが、国尾常 務によると、NECの車用電池関連事業はすでに黒字化しており、12年 度には黒字幅が拡大する見通し。

コスモ証券の西川裕康アナリストは「シェア上位2位以内にいない とビジネスにならない。ライバルが実際どれくらい買ってくれるのか、 NECにとって将来どの程度の利益につながるビジネスになるか、まだ 読めないが、EVメーカーが安い電池を調達しようとするのは必然で、 NECと日産が量の確保を急ぎ、コストを下げようとする戦略は理解で きる」と話した。

NECは7月から神奈川県相模原市の工場でリチウムイオン電池 向け電極の量産を開始した。生産能力は電池容量ベースで10年度中に 年間200万キロワット時(EV約10万台分)。今後、同電池の市場拡大 に合わせて生産能力を段階的に引き上げ、12年度には1000万キロワッ ト時(同50万台分)に増やす予定だ。

AESCは日産が51%、NECグループが49%を出資して07年に 設立。AESCは当初から日産以外の自動車メーカーにも電池を供給す る戦略を打ち出していた。

現在は12月に発売する日産のEV「リーフ」向けリチウムイオン 電池を製造。「リーフ」の事前予約は好調で、4月から日米で始めた予 約数は7月末時点で日米合わせて2万3000台を超えている。欧州でも 7月30日よりポルトガルとアイルランドで、9月から英国で予約を始 めた。

エネルギー事業は17年度に売上高3000億円を計画。このうち2000 億円がEV向け、1000億円がスマートグリッド(次世代送電網)を核と した新領域を見込む。17年度までにEV用リチウムイオン電池の価格を 半分に引き下げ、走行距離を2倍にしたい考え。

NECの遠藤信博社長は5月19日のブルームバーグ・ニュースと のインタビューで、同社が今年度から12年度までに500億円以上、17 年度までに累計1000億円程度を投じ、リチウムイオン電池事業を強化 する方針を示している。

--取材協力 萩原ゆき、岩谷多佳子 Editor: Tetsuki Murotani Tetsuzo Ushiroyama

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