シュワルツェネッガー知事「契約はまだ?」-新幹線試乗後

来日中のアーノルド・シュワルツ ェネッガー米カリフォルニア州知事は14日昼、新幹線に試乗後、東京 駅で出迎えた前原誠司国土交通相に対し、静寂性を称賛した。加州の 高速鉄道の整備計画をめぐり、国交相がすかさず、「この場で契約しま しょうか」と誘いかけると、知事は「まだ契約していなかったでしょ うか」とジョークで応じたという。国交相が記者団に明らかにした。

加州知事は東日本旅客鉄道(JR東日本)の新幹線に試乗し、片 道25分の東京-大宮間を往復した。試乗したのは、JR東日本が来年 3月に東京-新青森間に導入予定の「はやぶさ」の最新鋭車両。

加州知事は折り返し点の大宮駅で、新幹線について「非常に静か で素晴らしい」と述べ、「インフラそのものが非常に印象的だ」と記者 団に語った。一方、各国からユニークな提案があるとし、加州が直面 している課題に最適のシステム導入を検討する必要があると述べた。

加州知事の試乗には、JR東日本で新幹線の海外事業展開の総括 責任者である小縣方樹副社長などが同乗した。小縣副社長は試乗後に 東京駅で記者団に対し、加州知事が新幹線について、快適さは飛行機 にも負けないと技術の高さを評価していたことを明らかにした。

その上で、小縣副社長は「日本は高速鉄道で世界1の技術を持ち ながら、世界で使ってもらえなかったことは見直しが必要」と述べ、 今後は加州など世界の各地域と意見交換し、新幹線の採用に向けた取 り組みを進めたいと意欲を示した。

素晴らしいハイテク技術

シュワルツェネッガー知事は同日朝、都内で講演し、日本の新幹 線について、素晴らしいハイテク技術と高く評価し、加州への導入に 強い関心を示した。また、日米両国が協力し、停滞している景気を回 復できるはずだと語ったほか、加州のさまざまなインフラ建設に日本 も協力してほしいとの考えを示した。

加州知事は新幹線について、導入以来、死亡事故がなく、素晴ら しいテクノロジーと指摘し、このようなハイテク技術を是非、加州に も導入したいと思っていると述べた。加州に関しては、経済的に恵ま れ、投資するにふさわしい地域と強調した。その上で、高速鉄道は最 も重要なプロジェクトと位置付けていると語った。

国際的に受注競争が激化している高速鉄道をめぐって、日本は官 民で案件獲得を目指している。前原国交相は13日夕、加州知事と都内 で会談し、新幹線のトップセールスを行った。国交相は会談後、新幹 線が地震に強く安全性に優れることなどを伝えたと、国土交通省で記 者団に語った。加州知事は、今年中に、どの国、どの会社のものを採 用するのか、選定を進めると応じたことを明らかにした。

また、前原国交相は14日昼の東京駅での出迎え後、国際協力銀行 の活用などファイナンス面で支援できると加州知事に伝えたことを明 らかにした。高速鉄道の受注については、競争相手が多く、見通しは 厳しいとの認識を記者団に示した。

訪問3カ国それぞれで試乗

シュワルツェネッガー知事は加州の経済成長・雇用拡大に向けた 経済ミッションとしてアジア3カ国を訪問中。中国訪問後の13日に来 日、14日午後には韓国を訪れる。

加州知事は訪問3カ国で、それぞれ高速鉄道に試乗。加州の計画 では2012年にも建設開始の見通しで、関連産業の振興や雇用拡大など、 巨大プロジェクトへの期待は高い。

オバマ米大統領はすでに高速鉄道網の構築を表明し、年内にも米 国で入札が始まる見通し。受注をめぐっては、4月末に前原国交相が 訪米してラフード運輸長官らと会談したほか、5月にはラフード長官 が来日して新幹線や超電導リニアモーターカーに試乗した。国交省の 成長戦略会議では、トップセールスで日本の先端技術を海外に売り込 む計画だ。

政府は今年4月末、日本企業の受注に向け、国際協力銀が先進国 向けも投資金融ができるように制度を改正した。

米国高速鉄道マップ