米国債:相場反発、10年債利回り5週ぶり最高から低下

米国債相場は上昇。10年債利 回りは5週ぶり高水準から低下した。8月の米財政赤字が前年同 月比で縮小したほか、米連邦準備制度理事会(FRB)が34億ド ルの米国債を購入したのが影響した。

2年債に対する10年債の上乗せ利回りは縮小。利回り格差は 一時、8月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合以来の最大ま で拡大したが、長期債への需要が回復するにつれて縮小した。中 国の工業生産が予想以上に伸びたことに反応し、指標となる10年 債は朝方一時、下落していた。

トロント・ドミニオン銀行、TDセキュリティーズ部門のチ ーフ金利ストラテジスト兼エコノミスト、エリック・ラッセルズ 氏は、「売り浴びせで始まったこの日の債券市場は、逆転劇を演じ た」と述べ、「米国債利回りがここ1カ月での最高をつけ、投資家 が戻りつつある」と説明する。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨー ク時間午後4時3分現在、10年債利回りは前営業日比6ベーシス ポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.74%。同年債(表 面利率2.625%、2020年8月償還)価格は15/32上げて99。

10年債利回りは一時、2.85%と8月6日以来の最高を記録 した。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想では10年債利回 りは年末までに3.10%に達する。

30年債券

30年債利回りは3bp下げて3.84%。一時は3.93%と、8 月13日以来の高水準に達した。2年債利回りは4bp下げて

0.53%。

10年債と2年債の利回り格差は2.21ポイント、先週末は

2.22ポイントだった。この日は一時、8月10日以来で最大の

2.27ポイントまで格差が拡大した。

ニューヨーク連銀は34億ドル規模の米国債買い切りオペを 実施した。連銀の発表によると、対象証券の償還期日は2016年 8月-18年11月。8月17日に始まった今回のプログラムでの 購入総額はこの日の分を含め176億4300万ドルとなった。10月 初めまで総額270億ドルの米国債を購入する計画だ。

ゴールドマン・サックス・グループとパシフィック・インベ ストメント・マネジメント(PIMCO)は、リセッション(景 気後退)再発の事態を回避するためFRBが年内にも米国債購入 を通じた量的緩和策を再開すると予想している。バンク・オブ・ アメリカ(BOA)は、FRBが10年債利回りを2011年1-3 月(第1四半期)に過去最低の1.75%に低下させるとの見方を示 している。

米財政赤字が縮小

この日の米国債は財政赤字の縮小も支援材料だった。米財務 省が発表した8月の米財政収支は905億ドルの赤字と、前年同月 の1036億ドルの赤字から赤字幅が縮小した。ブルームバーグが まとめたエコノミスト予想の中央値は950億ドルの赤字だった。 今会計年度が始まった昨年10月から8月までの累計赤字額は1 兆2600億ドル。前年同期は1兆3700億ドルだった。

スイス・バーゼルで開かれた国際決済銀行(BIS)バーゼ ル銀行監督委員会は、将来の金融危機を阻止するための国際的取 り組みの一環として、銀行に対する狭義の自己資本比率の最低基 準を現行の2倍余りに引き上げ、新規制の完全適用までの猶予期 間を8年以内とすることで合意した。

バーゼル委員会は銀行に対し、リスク資産に対して普通株な どの比率を最低でも4.5%維持するよう義務付ける。同委の発表 資料によれば、状況悪化時に備えた上乗せ基準を2.5%とする。 この上乗せ基準を満たさない銀行は、資金調達を義務付けられる ことはないが、配当停止とされる。

モルガン・スタンレーの米金利戦略責任者、ジェームズ・キ ャロン氏は、新規制は「銀行にとって償還期限の短い証券を購入 するインセンティブを与えることになる」と指摘した。さらに、 規制の下では「含み損益は規制上の自己資本に影響を及ぼす」、「償 還期限の短い証券は期間の長い証券よりも変動が少ないことから、 銀行は短期証券を好む可能性がある」と続けた。