NY外為:ユーロが対ドル大幅高-リスク資産買い

ニューヨーク外国為替市場で はユーロがドルに対して10週間ぶりの大幅上昇。銀行が新たな資 本規制の順守へアナリストの予想以上の猶予期間を与えられたこ とで、リスク資産に対する買い安心感が広がった。

円とドルは下落。中国の工業生産および小売売上高が予想を 上回ったことから、世界的な景気回復が勢いを増しつつあるとの 見方が強まり、安全資産の需要が減退した。ユーロの支援材料と しては、欧州連合(EU)の欧州委員会が今年のユーロ圏経済成 長率見通しを従来予想のほぼ2倍に上方修正したことも挙げられ る。スウェーデン・クローナはユーロに対して、ほぼ3年ぶりの 高値に上昇した。

ウェルズ・ファーゴの為替ストラテジスト、ヴァシーリ・セ レブリアコフ氏(ニューヨーク在勤)は、「中国の統計はおおむね 景気減速が底を打ったことを示唆した。それが一段のリスク選好 の動きにつながった」と指摘。「今週はリスクに敏感な通貨に目が 行く」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時35分現在、ユーロはドルに対して 前営業日比1.6%高の1ユーロ=1.2878ドル。一時は1日の上 げ幅としては7月1日以来の最大となる1.7%高の同1.2893ド ルを付ける場面もあった。円はユーロに対して0.9%安の1ユー ロ=107円70銭(前営業日は106円72銭)。円はドルに対して

0.6%高の1ドル=83円65銭。一時は83円51銭を付け、8日 に付けた1995年以来の高値の同83円35銭付近で推移している。

MSCI世界指数は1.4%高。S&P500種株価指数は1.1% 値上がりした。

中国経済

中国国家統計局の11日の発表によると、8月の工業生産は前 年同月比13.9%増加。伸び率は5月以来の最大となった。同国の 8月の小売売上高は前年同月比18.4%増加。ブルームバーグがま とめたエコノミスト予想の中央値は18%増だった。消費者物価指 数(CPI)は前年同月比3.5%上昇と、1年10カ月ぶりの高い 伸びとなった。

オンライン為替取引会社GFTフォレクスの調査ディレクタ ー、ボリス・シュロスバーグ氏(ニューヨーク在勤)は「ユーロ が中国の前向きな統計結果から最も恩恵を受けていることは明ら かだ」と指摘。「中国の統計は、米経済の弱さにもかかわらず中国 が需要の原動力になっていることを示唆しているため、リスク志 向の復活につながった」と述べた。

バーゼル銀行監督委員会は、将来の金融危機を阻止するため の国際的取り組みの一環として、銀行に対する狭義の自己資本比 率の最低基準を現行の2倍余りに引き上げ、新規制の完全適用ま での猶予期間を8年以内とすることで合意した。

円は、民主党代表戦を14日に控え下落。菅直人首相と小沢一 郎 前幹事長が得票を争う。

「介入のリスク」

シティグループのG10為替ストラテジー責任者、スティーブ ン・イングランダー氏は顧客向けリポートで、「外国為替市場では 介入のリスクに関心が集まっている。為替のスポット価格が現在 84円を割り込んでいることは、菅氏が首相の座を維持する公算が 大きいことを示唆している」と指摘。「小沢氏のサプライズ勝利と なれば、介入期待で円ロング(買い持ち)のポジション解消につ ながるため、対円でのドル相場には上昇圧力がかかるだろう」と 述べた。

ブルームバーグ相関加重通貨指数によると、円は年初来14% 高と、先進国10カ国通貨中で上昇率トップとなっている。逃避通 貨として買われたことが背景にある。

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