今日の国内市況:株3連騰、超長期債続落-リスク回避後退でユーロ高

東京株式相場は3日続伸。米国の 良好な経済統計を受け世界景気の先行き不安が和らいだほか、為替の落 ち着きも好感された。自動車や精密機器など輸出関連株が上昇、海外原 油市況高を好感し、鉱業など資源関連株も高い。国際的な自己資本規制 の詳細が決まり、当面の増資懸念の後退で銀行株も買われた。

日経平均株価の終値は前週末比82円65銭(0.9%)高の9321円 82銭、TOPIXは同3.93ポイント(0.5%)高の837.65。

米商務省が10日に発表した7月の卸売在庫は前月比1.3%増加。 2008年7月(1.5%増)以来、2年ぶりの高い伸びを示した。日経平 均のプラス寄与度上位にはファナックや京セラ、東京エレクトロン、ホ ンダ、TDKなどが並んだ。

また、10日のニューヨーク商業取引所では、原油先物相場が前日 比3%高の1バレル=76.45ドルで終了。カナダ産原油を米中西部の 製油所に輸送するパイプラインが原油流出のために稼働を停止したこと を手掛かりに、買いが集まった。原油価格高が収益のプラス要因となる 国際石油開発帝石、昭和シェル石油、JXホールディングスなど資源関 連株の上げも目立った。

このほか、銀行株も上昇。三菱UFJフィナンシャル・グループ、 みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループの3 大金融グループはそろって高い。

国際決済銀行(BIS)のバーゼル銀行監督委員会は12日、国際 業務を行う銀行の健全性を維持する新たな自己資本規制を発表。中核資 本(コアティア1)基準を新しく設け、リスク資産に対する比率を実質 的に7%以上に維持することで合意した。事前の報道に沿う内容で、銀 行の新たな増資懸念がひとまず和らいだ格好。

日経平均は朝方に151円高の9390円まで上げ幅を広げ、取引時間 中としては8月11日(9445円)以来、およそ1カ月ぶりの高値水準 を回復したが、その後は伸び悩んだ。中国で11日に発表された8月の 消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.5%上昇と、1年10カ月ぶ りの高い伸びを記録。中国政府によるインフレ率の通年目標である3% を超過し、金融引き締め観測が再燃することへの警戒感が、日本株にも 上値抑制要因として働いたとの指摘が聞かれた。

また、民主党代表選を14日に控え、様子見気分の強さも伸び悩み の一因となった。

東証1部の売買高は概算で14億4986万株、売買代金は1兆339 億円。騰落銘柄数は上昇795、下落679。業種別33指数では鉱業、空 運、非鉄金属、石油・石炭製品、銀行、精密機器、輸送用機器、海運な ど27業種が上昇。電気・ガス、陸運、小売、鉄鋼など6業種が安い。

超長期債が続落

債券市場では超長期債が続落。あす14日の民主党代表選挙と20 年利付債入札に対する警戒感から売りが優勢だった。半面、長期金利で 見て1.1%台後半では投資家からの買いが入り、長期債や先物は午後に 買いが優勢となった。

超長期債が安い。前回入札された20年物の120回債利回りは一時 2ベーシスポイント(bp)高い1.94%に上昇。新発20年債としては 6月23日以来の高水準を付けた。また、新発30年債利回りは2bp高 い2.04%と6月下旬以来の水準まで上昇している。

財務省は14日、20年利付国債(9月発行)の入札を実施する。 表面利率(クーポン)は前回の120回債より0.3―0.4ポイント高い

1.9―2.0%が見込まれている。発行額は前回と同じ1兆1000億円程 度。

今回の20年債入札について、同日午後2時から民主党の代表選が 始まることから、投資家は慎重姿勢を強めるとの見方がある。

14日の民主党代表選について、報道各社は菅直人首相が小沢一郎 前幹事長をややリードしていると伝えている。共同通信社は9、10両 日に実施した世論調査の結果、代表になってほしい候補として菅首相が

67.3%、小沢前幹事長が22.8%だったと11日報じた。

債券市場では、小沢氏は2009年衆院選のマニフェスト(政権公約) 実現を訴えているため、同氏が代表選への出馬を固めた8月下旬から財 政拡大が意識され、超長期債主導で金利上昇が加速した。このため、マ ニフェスト修正に柔軟姿勢を示している菅首相が勝利を収めれば、債券 買いが優勢となる可能性が高いとみられている。

これに対して、小沢氏が勝利して財政拡大に対する懸念がさらに強 まると、超長期債に売りが膨らむとの指摘もある。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の310回債利回 りは、前週末比1.5ベーシスポイント(bp)高い1.165%で始まった。 その後は徐々に水準を切り下げ、午後3時過ぎからは0.5bp低い

1.145%で推移している。

一方、東京先物市場で中心限月12月物は小幅反発。前週末比17 銭安の141円6銭で始まった。これを同日の安値として、その後は 徐々に買いが優勢となり、水準を切り上げ、取引終了にかけてプラスに 転じた。結局は5銭高の141円28銭で引けた。

朝方は前週末の米国市場で株高、債券安となった流れを引き継ぎ、 売りが先行した。10日の米国債相場は下落。予想を上回る卸売在庫や 中国の原油輸入増加で世界の景気回復に対する楽観的な見方が広がった 。米株式相場の上昇もあって売りが優勢となった。米10年債利回りは 3bp上昇の2.79%程度。

ユーロ上昇

東京外国為替市場ではユーロが対ドル、対円で4営業日ぶりの高値 まで上昇した。前週末にかけて発表された米国と中国の経済指標が予想 を上回り、世界景気の先行き懸念が和らいだほか、国際決済銀行(BI S)バーゼル銀行監督委員会が合意した新資本規制が予想範囲内の内容 となったことで、ユーロや資源国通貨に買い安心感が広がった。

ユーロは対ドルで一時、1.2800ドルを回復し、1.2834ドルまで 上昇。対円では前週末のニューヨーク時間午後遅くの水準と比べて約1 円ユーロ高・円安の1ユーロ=107円77銭を付けた。

先週は欧州金融システム不安の再燃懸念からユーロが売られ、8日 に対円で8月下旬に付けた約9年ぶり安値(105円44銭)付近まで下 落。10日には対ドルで8月31日以来の水準(1.2644ドル)までユー ロ安が進む場面が見られていた。

世界的に株価が上昇し、投資家のリスク回避姿勢の後退が意識され るなか、週明けの東京市場ではドルは主要通貨に対してほぼ全面安、円 もほとんどの通貨に対して売られる展開となった。

中国など世界景気の先行き懸念が和らぐなか、オーストラリア・ド ルは対ドルで約4カ月半ぶりの高値まで上昇。対円では約1カ月ぶりの 高値を付けた。

一方、ドル・円相場は早朝に1ドル=84円43銭と1週間ぶりの 円安値を付けたが、国内輸出企業の円買いが指摘されるなか、円は反発 。午後には84円ちょうどを割り込み、一時、83円84銭まで円買いが 進んだ。