バーゼル新規制で専門家がコメント-スティグリッツ、コーエン氏ら

バーゼル銀行監督委員会が12日、 銀行に対する狭義の中核的自己資本比率を現行の2倍余りに引き上げ ることで合意したことをめぐり、米コロンビア大学教授でノーベル経 済学賞受賞者のジョゼフ・スティグリッツ氏から法律事務所サリバ ン・アンド・クロムウェルのロジン・コーエン弁護士に至る専門家ら が多様な見解を示した。

スティグリッツ氏(67)は、新自己資本規制の導入が遅れた場合、 一般市民がリスクにさらされると述べ、コーエン氏(66)は、現時点 で基準を満たしていない金融機関を市場が「直ちに罰する」可能性を 指摘した。一方、元銀行検査官で現在はFBRキャピタル・マーケッ ツのアナリスト、ポール・ミラー氏(49)は「対処しやすい」新規制 だとした上で、米大手銀行が資本調達を強いられることはないだろう と予想した。

コーエン氏は「重要な問題は、BISが正しいかどうか、そして 基準に達しない金融機関を市場が直ちに罰しないかどうかだ」と指摘。 モーゲージ・サービシング権(MSR)を例に挙げ、「将来の異例な資 本コストのためにそれらを保有することが難しくなるとしたら、銀行 はMSRの組成・保有・販売に消極的になるのではないか。住宅ロー ン事業の基本要素の価値をゼロと評価するのは驚きだ」と説明した。

国際通貨基金(IMF)の元チーフエコノミストで米マサチュー セッツ工科大学(MIT)スローン・スクール・オブ・マネジメント のサイモン・ジョンソン教授(47)は、「戦後最悪の金融危機後に何 もできず、結局最小限の規制にとどまった。このプロセスに悲観的な わたしの知人ですら失望するだろう」と述べ、自己資本比率について は「いずれにせよ、15%とすべきだった。好景気の時なら最大20% にする必要があった」と語った。

スティグリッツ氏は「これは正しい方向への動きだ。これらの措 置は、明らかに機能不全を起こしている銀行セクターの修正の一環と してとらえるべきだ」と指摘した。