米国の消費者は死なず、家計立て直しが進展-レバレッジ解消で

米国の消費者の存在感がなくなっ たと見方は誇張されている。

モルガン・スタンレーの世界経済担当共同責任者、リチャード・ バーナー氏は、米国の一般世帯が自身の予想より速いペースで債務を 減らし貯蓄を積み増しており、将来的な消費の余地は拡大していると みている。同氏は「レバレッジ解消のプロセスがほぼ1年前倒しされ ている」と語る。

米連邦準備制度理事会(FRB)のデータによると、可処分所得 に占める債務返済の比率は1-3月(第1四半期)に12.46%と、ピ ークだった2008年の13.96%から低下。過去30年間平均(12.09%) にほぼ見合う水準だ。

バーナー氏は、この比率が年内に持続可能なレンジと考えられる 11-12%に下がるとみている。同氏によれば、こうした債務返済比率 の改善によって、米経済はリセッション(景気後退)への逆戻りを回 避し来年は3%成長を実現する見通し。今年4-6月(第2四半期) の成長率は1.6%だった。

もっとも、誰もが楽観的なわけではない。資産運用会社グラスキ ン・シェフ・アンド・アソシエーツ(トロント)のチーフエコノミス ト、デービッド・ローゼンバーグ氏は3日、ブルームバーグラジオの トム・キーン司会者とのインタビューで、米国は「当面は極めて低調 な状況になる」と指摘。家計が節約に励み、こうした「過剰債務の解 消に動く」ためとしている。

消費者は前進

ブルームバーグ・ニュースがエコノミスト59人を対象に今月実施 した調査の中央値によると、来年の米経済成長率は2.5%と予想され、 今年の2.7%(見通し)から低下する。9%超の失業率が個人消費を 圧迫するためだ。

米資産運用会社ブラックロックのロバート・ドール副会長は、消 費者は貯蓄を増やし借り入れを減らす必要があるが、財務内容の改善 で前進していると語る。 「十分な信用が確保されているとは思わない」 ものの、「米消費者は死んでいない」と明言する。

今年に入ってからの貯蓄率は、株式や住宅市場で相場が上昇し逆 戻りする前の1995年実績(5.2%)を上回っていると指摘するのは、 JPモルガン・チェースの上級エコノミスト、ジェームズ・グラスマ ン氏だ。同氏は「消費者はすでに多くの大仕事をこなしてきた」とし、 「この先、バランスシートが大きな足かせになることはさほどないと 思う」と説明している。

家計立て直しの進展に注目しているドール副会長は、「米消費者が すべての問題を解消したとは言っているわけではない」と述べた上で、 「米消費者が苦境にあるとの見方はあまりにも悲観的だ」と強調する。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE