小沢氏勝利なら金利上昇を予想、専門家-あす民主代表選で菅氏と対決

あす投開票の民主党代表選は、優 位に立つ菅直人首相を小沢一郎前幹事長が追い上げる形になってい ると報じられているが、市場関係者や専門家の間では積極財政派の小 沢氏が勝利した場合、金利上昇などの影響が出るとの指摘がある。

小沢氏は来年度概算要求基準など菅内閣の政治手法を「官僚主導」 と批判。場合によっては国債の追加発行も辞さない構えを示して景気 対策重視の政策を訴えたほか、2009年衆院選で掲げたマニフェスト (政権公約)の実現に全力を挙げる考えを強調。国有資産の証券化や高 速道路建設のための無利子国債発行など独自の財源確保策も提案し た。

霧島和孝・城西大学教授(経済学)は、「小沢氏が勝つと、積極 財政を掲げているので短期的には景況感の改善と株価上昇も考えら れるが、金融市場の動きは速いから、すぐに金利が上昇するだろうし、 それによって円高が進行する」と予想する。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の石井純チーフ債券ストラ テジストは9月8日のレポートで「国債イールドカーブはベア・ステ ィープ化に急転回した。きっかけは『小沢ショック』という予期せぬ ネガティブ・サプライズだった」と指摘。

小沢ショック

石井氏は、小沢氏が8月26日、代表選に出馬する意向を表明す ると「債券市場は、『小沢一郎政権』の誕生や小沢グループの影響力 の強まりによって、民主党政権の財政政策運営が『増税による再建路 線』から「財源なきバラマキ路線」へと逆戻りするのではないかと警 戒感を高めた」と振り返る。

小沢氏陣営の海江田万里衆院議員は7日、ブルームバーグ・ニュ ースとのインタビューで、小沢氏の財政再建への姿勢について「『財 政規律に緩い』という評価もあるようだが、財務省が言っているのと は少し違った角度からではあるが、財政規律をあまり重視しないとい うことでは決してない」と強調した。

長期金利の指標とされる新発10年物の国債利回りは小沢氏の代 表選立候補表明以来30ベーシスポイント(bp)上昇、9月6日には11 週間ぶりの高値、1.195%を付けた。

共同通信社が9、10両日に実施した代表選に関する世論調査と、 代表になってほしい候補者として菅首相が8月27、28両日の調査か ら2.6ポイント減の67.3%で7.2ポイント増の22.8%だった小沢氏を 依然として大きく上回った。同社は10日配信した終盤情勢に関する 記事で、菅氏が党員・サポーターや地方議員票で小沢氏を上回り、拮 こう)する国会議員票を含めて優位に立っている、と分析している。

代表選は同党所属の国会議員と地方議員、党員・サポーターに投 票権があり計1222ポイントを争う。内訳は、地方議員票(2382人) は100ポイント、一般党員・サポーター(約34万人)は300ポイン トで、14日に投票を行う国会議員(411人)は1人につき2ポイント の計822ポイントと全体の約67%を占める。

--取材協力:山中英典、Rocky Swift Editor:Hitoshi Sugimoto, Kenzo Taniai

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Sachiko Sakamaki