ユーロ、対ドルで一段の下落へ-弱者通貨同士の間でも敗者の様相

ポルトガルやアイルランドといっ た欧州諸国の債務返済能力に対する懸念再燃で、新たなユーロ安局面 が予想されていることから、ユーロは対ドルでも下げ幅を拡大する見 通しだ。

米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、ヘッジフ ァンドなど大口投機家はユーロ下落を見込んだ先物取引を約2カ月ぶ りの高水準に増やした。先週にはアイルランド、ポルトガルの各国債 とドイツ国債とのスプレッド(利回り格差)が過去最大に拡大。また ギリシャ、スペイン国債の保証コストは3カ月ぶり高水準に接近して いる。

2010年4-6月(第2四半期)までの6四半期の為替予想実績で 最も正確だったTDセキュリティーズと、米銀バンク・オブ・アメリ カ(BOA)は、米景気回復ペースが鈍化してもユーロは対ドルで下 げると予想。ユーロ安はドイツの輸出にとってプラス要因となるもの の、ポルトガルとアイルランドの格下げで揺らいだ信認を支えるには、 欧州救済基金では不十分と市場が判断していることを示している。

三菱東京UFJ銀行為替調査部門の欧州責任者、デレク・ハルペ ニー氏(ロンドン在勤)は、「ユーロとドルはともに弱い通貨だが、ユ ーロ圏の問題は米国よりも解決が難しい」と指摘。「これは弱者間の争 いだが、ユーロがより弱いだろう」と予想した。

ユーロは先週、ドルに対し1.7%下げて1ユーロ=1.2679ドルを 付け、年初来下落率は11%となった。円に対しては1.9%安の106円 72銭と、9年ぶり低水準まで2円未満に迫った。

ブルームバーグが先週集計した少なくとも19人のエコノミスト の調査中央値によると、ユーロの年末時点の見通しは1ユーロ=1.25 ドルで、来年は1.22ドルまで下落する見込み。別の調査によれば、対 円では年末までに2.1%上昇して1ユーロ=109円となると予想され ている。ドルは対円で4.6%上げ、1ドル=88円の見込み。