超長期債が続落、民主代表選や20年入札警戒-長期債や先物には買い

債券市場では超長期債が続落。あ す14日の民主党代表選挙と20年利付債入札に対する警戒感から売り が優勢だった。半面、長期金利で見て1.1%台後半では投資家からの 買いが入り、長期債や先物は午後に買いが優勢となった。

日興コーディアル証券の野村真司チーフ債券ストラテジストは、 今回の20年債入札について、「民主党代表選を控えているため好調と はならないのではないか。入札で購入する投資家は少ないとみている。 代表選の結果を見て、利回りが上昇すれば、流通市場で買うことを考 える向きが多いだろう」と話した。

超長期債が安い。前回入札された20年物の120回債利回りは一時 2ベーシスポイント(bp)高い1.94%に上昇。新発20年債としては 6月23日以来の高水準を付けた。また、新発30年債利回りは2bp高 い2.04%と6月下旬以来の水準まで上昇している。

財務省は14日、20年利付国債(9月発行)の入札を実施する。 表面利率(クーポン)は前回の120回債より0.3―0.4ポイント高い

1.9―2.0%が見込まれている。発行額は前回と同じ1兆1000億円程度。

今回の20年債入札について、同日午後2時から民主党の代表選が 始まることから、投資家は慎重姿勢を強めるとの見方がある。大和住 銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリーダーは、投 資家は20年債入札を強く見ておらず、慎重姿勢となりそうだと述べた。

岡三証券の坂東明継シニアエコノミストは、入札について、「クー ポンは1.9%か、2.0%だろう。米国金利が上昇しているため、利回り の上昇余地は残っている。相場が下押したところでは、生命保険や年 金基金などの需要があるだろう」と話した。

代表選、菅首相ややリードか

14日の民主党代表選について、報道各社は菅直人首相が小沢一郎 前幹事長をややリードしていると伝えている。共同通信社は9、10両 日に実施した世論調査の結果、代表になってほしい候補として菅首相 が67.3%、小沢前幹事長が22.8%だったと11日に報じた。

シュローダー証券投信投資顧問運用部の塚谷厳治債券チームヘッ ドは、債券先物が午後に反発に転じたことについて、現物債に買いが 入り、先物にも代表選の結果を見越した買い戻しが入ったと述べた。

債券市場では、小沢氏は2009年衆院選のマニフェスト(政権公約) 実現を訴えているため、同氏が代表選への出馬を固めた8月下旬から 財政拡大が意識され、超長期債主導で金利上昇が加速した。このため、 マニフェスト修正に柔軟姿勢を示している菅首相が勝利を収めれば、 債券買いが優勢となる可能性が高いとみられている。

これに対して、小沢氏が勝利して財政拡大に対する懸念がさらに 強まると、超長期債に売りが膨らむとの指摘もある。岡三証の板東氏 は、「20年、30年債は相場が崩れる際にリスクの一番高いゾーンであ り、市場では国債増発懸念が出てくるとまずは超長期売りというイメ ージがある」との見方を示した。

10年債利回りは1.145%

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の310回債利回 りは、前週末比1.5ベーシスポイント(bp)高い1.165%で始まった。 その後は徐々に水準を切り下げ、午後3時過ぎからは0.5bp低い

1.145%で推移している。

RBS証券の福永顕人チーフ債券ストラテジストは、前週の30 年債、5年債入札に続き、14日の20年債入札に向けた需給懸念で円 債は売られてきたものの、民主党代表選と20年債入札を通過すれば、 金利上昇も一服すると指摘し、「押し目買いが入りやすい水準に来てい る」と述べた。

新発10年債利回りの1.1%台後半では買いが入ったもようだ。三 井住友海上きらめき生命保険の堀川真一経理財務部運用担当部長は 「1.2%近辺では投資家が押し目買いを入れてくる」と指摘。東海東京 証券の佐野一彦チーフストラテジストも「1.1%台後半では一定の投資 家需要があり、利回り上昇に歯止めはかかりやすい」との見方を示し ていた。

一方、東京先物市場で中心限月12月物は小幅反発。前週末比17 銭安の141円6銭で始まった。これを同日の安値として、その後は徐々 に買いが優勢となり、水準を切り上げ、取引終了にかけてプラスに転 じた。結局は5銭高の141円28銭で引けた。

朝方は前週末の米国市場で株高、債券安となった流れを引き継ぎ、 売りが先行した。10日の米国債相場は下落。予想を上回る卸売在庫や 中国の原油輸入増加で世界の景気回復に対する楽観的な見方が広がっ た。米株式相場の上昇もあって売りが優勢となった。米10年債利回り は3bp上昇の2.79%程度。

--取材協力:菅野顕一郎、関泰彦 Editors:Hidenori Yamanaka,Masaru Aoki

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