9月10日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎NY外為:円は下落、米国債利回り上昇でドル買い

ニューヨーク外国為替市場では、円がドルに対して下落。投資家 のリスク回避の動きが後退するなか、米10年債利回りが1カ月ぶり 高水準となったことで、米国資産への需要が再び強まった。

円は主要16通貨のほとんどに対して値下がり。スイス・フラン も売られた。中国の輸入が市場予想よりも増えたことも手掛かりとな った。中国人民元は、週間ベースでは6月以降で最大の上げ。米政府 は中国当局に元高容認を求めて圧力を強めている。米10年債と日本 の10年債の利回り格差は2009年4月以来の最小から拡大した。

みずほフィナンシャルグループのシニア為替トレーダー、柳原秀 敏氏(ニューヨーク在勤)は、日米の金利差が注目されており、投資 家はドル買いに一段と楽観的になっていると指摘。米経済の先行きに 関して、前向きな見方が強まりつつあると加えた。

ニューヨーク時間午後4時16分現在、円は対ドルで前日比

0.5%安の1ドル=84円17銭(前日は83円78銭)。対ユーロ では0.6%値下がりし、1ユーロ=106円97銭(前日106円37 銭)。ユーロはドルに対し1ユーロ=1.2709ドル(前日1.2696 ドル)。一時1.2644ドルと、8月31日以来の安値を付ける場面 があった。

スイス・フランは対ユーロで0.5%下げて1ユーロ=1.2956 フラン(前日1.2887フラン)。対ドルでは0.4%安の1.0195 フラン。

利回り格差

日本国債に対する米国債(10年債比較)の上乗せ利回りはこの 日、163ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)に拡大。7日 に付けた146bpからは17bp広がっている。

中国税関当局の発表によれば、同国の8月の輸出は前年同月比

34.4%増加し、輸入も35.2%増えた。貿易黒字は200億3000 万ドルとなり、3カ月連続で200億ドルを超えた。ブルームバー グ・ニュースがまとめたエコノミスト予想は、輸出が35%増、輸入 が27.5%増だった。

中国外国為替取引システム(CFETS)によると、人民元は対 ドルで0.2%上昇し、1ドル=6.7692元。週間では0.5%高とな った。これは6月25日終了週(0.5%高)以来の大幅上昇。

ガイトナー長官

ガイトナー米財務長官は8日、ブルームバーグテレビジョンとの インタビューで、中国当局が人民元のより急速な上昇を容認する必要 があるとの認識を示した。米下院歳入委員会は来週、中国の為替政策 について議論する。

通貨戦略世界責任者、マーク・チャンドラー氏などブラウン・ブ ラザーズ・ハリマンのストラテジストらは、顧客向けのリポートで、 「対中強硬派の米議員らは、8月の中国の貿易黒字が3カ月連続で 200億ドルを超えたことを強調するだろう」と記した。

◎米国株:S&P500種、週間で6月以来の2週連続高

米株式相場は上昇。予想を上回る卸売在庫や中国の原油輸入増加 で世界の景気回復に対する楽観的な見方が広がった。週間ベースでS &P500種株価指数は6月以来初めて2週連続で上げた。

6週間ぶりの大幅高となった原油相場を背景に、シェブロンやハ リバートンが高い。ムーディーズは急伸。パイパー・ジャフレイの投 資判断引き上げが買いを誘った。

一方、ナショナル・セミコンダクターは大幅安。アナリスト予想 を下回る売上高見通しを示したことが失望された。モルガン・スタン レーが投資判断を引き下げたデルとアドビ・システムズも安い。

S&P500種株価指数は前日比0.5%高の1109.55。8月27 日以降、過去2週間の上昇率は4.2%となった。ダウ工業株30種 平均は47.53ドル(0.5%)上げて10462.77ドル。この日はユ ダヤ教の祭日にあたり、商いは低調。米国の証券取引所の出来高は合 計で約58億株と、年初来で最少を記録した。

ルーミス・セイルズ(ボストン)の大型バリュー株担当の最高投 資責任者(CIO)、ウォーレン・クーンツ氏は「株式は非常に魅力 的だ」と指摘。「世界的な成長を示すどのような兆候も好材料となっ ている。成長は鈍化しているが、景気が二番底をつけにいくような状 態にはない。ディフェンシブ銘柄に人気が集まっていることを考える と、心理が好転すれば非常に力強い上昇局面に入る可能性がある」と 述べた。

割安感

景気への懸念からS&P500種は4月に記録した年初来高値か ら8.9%下げている。そのため、今後1年間の予想利益を基にした 株価収益率(PER)は平均で12倍と、2009年3月以来の低水準 となっている。

ブラックロックのロバート・ドール副会長はブルームバーグラジ オに対し、「株式相場は適度に割安だ」と発言。「今後10年、株価 が上昇していくには成長が必要だ。ここをスタート地点とすると、プ ラスの投資収益を得る可能性の方が高い」と語った。

この日の株式相場は7月の米卸売在庫を受けて、上値を伸ばす場 面もあった。同在庫は前月比1.3%増と、過去2年間で最大の伸び となった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の 中央値は0.4%増加だった。卸売売上高は前月比0.6%増加した。

石油株が上昇

原油高を背景にS&P500種のエネルギー株指数は1%上昇。 全10セクターで上昇率トップとなった。

シェブロンは1.9%高、ハリバートンは2.2%上昇。HSBC が投資判断を引き上げた油田サービス大手のシュルンベルジェも高い。

米国株はアジア株の堅調な地合いを引き継いだ。日本の4-6月 期の実質国内総生産(GDP)2次速報が前期比年率1.5%増と、 1次速報(0.4%増)から上方修正されたことがきっかけ。

PNCウェルス・マネジメントの主任投資ストラテジスト、ウィ リアム・ストーン氏は「この日は堅調なマクロ経済指標が支援材料と なった。セクター間に違いが見られるのは非常に良いことだ。株価が 独自のファンダメンタルズをより重視するような取引に戻ることを望 む」と述べた。

ムーディーズは5.9%高と、S&P500種で上昇率首位。パイ パー・ジェフレイの投資判断引き上げを好感した。

個人投資家は強気

米国株の上昇を見込む個人投資家の割合が2週間としては2009 年3月以来の大幅な伸びを示した。雇用や製造業の指標が予想を上回 ったことが背景。

米個人投資家協会(AAII)のオンライン調査によると、強気 派の割合は43.9%と、4月15日以来の高水準。8月26日の

20.7%からの2週間での上昇幅は09年3月以降で最大となった。 09年3月はS&P500種が最大で80%上げた強気相場の起点。

S&P500種の半導体指数は0.8%安。フィラデルフィア証券 取引所の半導体指数(SOX)も1.4%下げた。

ナショナル・セミコンは6.4%下落。9-11月(第2四半期) の売上高を最大4億1500万ドル(約348億円)と予想。ブルーム バーグ調査のアナリスト予想平均(4億2060万ドル)を下回った。

テキサス・インスツルメンツ(TI)は0.6%安。7-9月 (第3四半期)の利益と売上高の予想レンジの上限を引き下げた。経 済成長の鈍化で半導体需要が減少する可能性を示している。

◎米国債:10年債1カ月ぶり高利回り、景気観改善で

米国債市場では10年債が下落。同利回りは1カ月ぶりの高水準 に上昇した。米経済が再びリセッション(景気後退)に陥ることはな いとの兆候を手掛かりに、株式が買われたことが背景。

ウンダーリッヒ・セキュリティーズのマネジングディレクターで 米国債トレーディング責任者のマイケル・フランゼーズ氏は、「市場 参加者は米景気が思っていたほど悪くなく、二番底に陥ることはない とみている」と指摘。「株式相場との逆相関の関係がこの日も鮮明に 表れていた」と述べた。

10年債利回りは週間ベースでは、昨年10月以来の最長となる 3週連続の上昇となった。この日発表された7月の米卸売在庫は市場 が予想した以上に増加した。同利回りはこの日上げ幅を縮小する場面 もあった。ボルカー元連邦準備制度理事会(FRB)議長が、世界的 な回復が持続するには世界経済の不均衡を是正する必要があると述べ たことがきっかけとなった。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時13分現在、10年債利回りは前日比3ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上昇の2.79%。同年債(表面利率

2.625%、2020年8月償還)価格は9/32下げて98 17/32。

10年債利回りは一時2.82%と、8月10日以来の高水準を付 ける場面もあった。同日は米連邦公開市場委員会(FOMC)会合で、 政府機関債や住宅ローン担保証券(MBS)の償還金を米国債に再投 資することが決定された。

3週連続での利回り上昇

同利回りは週間ベースでは9bp上昇と、4月2日終了週に10 bp上昇して以来最大の上げとなった。3週連続での上昇は、昨年 10月23日までの3週間以降で最長。

2年債利回りは前日比ほぼ変わらずの0.57%。週間では6bp 上昇。8月24日には過去最低の0.4542%を付けた。

10年債と2年債の利回り格差は3日連続で拡大した。米景気回 復が失速しているとの懸念が和らいだことが背景。同利回り差は

2.21ポイントと、終値ベースでは8月10日以来の最大となった。

ジェフリーズ・グループのチーフ・テクニカル・ストラテジスト、 ジョン・スピネロ氏(ニューヨーク在勤)は顧客向けリポートで、 10年債利回りが9月末までに2.88%に上昇すると予想している。

10年債利回りはこの日米商務省が7月の卸売在庫を発表した後 も高水準を維持した。卸売在庫は前月比1.3%増加。伸び率は 2008年7月(1.5%増)以来の最大となった。ブルームバーグ・ニ ュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は0.4%増加だった。

中国の輸出

中国通関当局によると、同国の8月の輸出は前年同月比34.4% 増、輸入は同35.2%増だった。貿易黒字は200億3000万ドルと なった。

米10年債利回りはこの日、上げ幅を縮小する場面もあった。ボ ルカー元FRB議長はカルガリーでの会議で、米国と欧州の経済がリ セッションから完全に回復するには数年はかかる可能性があると指摘。 中国など一部の新興国は「著しい」成長を遂げていると語った。

ブルームバーグがエコノミスト59人を対象に1-9日に実施し た調査によると、米国内総生産(GDP)成長率は2011年に平均 で2.5%となる見通し。先月時点の調査の2.8%を下回るほか、今 年の成長率予想の2.7%からも伸びが鈍化するとみられている。調 査によると、個人消費は冷え込み、失業率は9%を超える水準で推移 すると見込まれている。

◎NY金:下落、週間では7月以来初のマイナス-株高で需要減

ニューヨーク金先物相場は下落。株価の反発を背景に安全への逃 避先としての需要が薄れ、週間ベースでは7月後半以降で初のマイナ スとなった。

MSCI先進国23市場で構成するMSCI世界指数は週間ベー スで2週連続プラス。経済統計で世界的に景気が改善しつつある兆候 が示されたことが背景となった。金は今週、過去最高値に迫った後、 反落した。

フューチャーパス・トレーディングのトレーダー、フランク・レ シュ氏(シカゴ在勤)は、「金が最高値を更新できるような不安要因 が市場にはない」と指摘。「株は安定したし、欧州債務危機をめぐる 不安感が台頭したのは1日だけだった。こうした状況で、短期的な投 資家の多くが金市場から資金を引き揚げている」と説明した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 相場12月限は前日比4.40ドル(0.4%)安の1オンス=

1246.50ドルで取引を終了。週間ベースでは0.4%下げた。年初 からは14%上昇している。

◎NY原油:6週間ぶり大幅高、中西部パイプライン稼働停止で

ニューヨークの原油先物相場は6週間ぶりの大幅高。カナダ産原 油を米中西部の製油所に輸送するパイプラインが原油流出のために稼 働を停止したことを手掛かりに、買いが集まった。

原油は一時3.2%高。エンブリッジ・エナジー・パートナーズ は輸送能力日量67万バレルのパイプラインの稼働を停止した。カナ ダは世界最大の対米原油輸出国。米エネルギー省によると、6月には 日量220万バレルの原油を米国に輸出した。

BNPパリバ・コモディティ・フューチャーズのブローカー、ト ム・ベンツ氏は、「この日の動きはすべてエンブリッジのニュースに よるものだ」と指摘。「停止されたのは中西部の多くの製油所に輸送 する巨大なパイプラインだ。停止がどれだけの期間にわたるかによっ ては、中西部の供給に大きな影響を与えかねない」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物10月限は前 日比2.20ドル(2.96%)高の1バレル=76.45ドルで取引を終 了。一時は76.59ドルと、日中取引では8月17日以来の高値を付 けた。週間ベースでの上昇率は2.5%。

◎欧州株:下落、4カ月ぶり高値から反転-ドイツ銀が安い

欧州株式相場は4カ月ぶり高値から下落。ドイツ銀行が株式売却 を検討しているとの報道を受け、売りが優勢になった。一方、自動車 株は堅調に推移した。株式相場は週間ベースでは2週連続高。

ドイツ銀行は大幅安。同行が最大90億ユーロ(約9600億円) の調達に向けた新株発行を検討していると、協議に詳しい関係者3人 が明らかにした。スペインのガス会社、ガス・ナトゥラルも安い。フ ランスの公益事業会社GDFスエズが、保有していたガス・ナトゥラ ル株のすべてを売却したことがきっかけ。一方、フランスの自動車メ ーカー、プジョーシトロエングループ(PSA)とルノーはいずれも 上昇。両社は仏政府から受けた30億ユーロの融資のうち、33%を 期限前に返済すると明らかにした。

ストックス欧州600指数は前日比0.2%安の264.70で終了。 週間ベースでは1.7%高となり、5月に付けた年初来最安値からの 上昇率は14%に拡大した。

チャールズ・スタンレー(ロンドン)の調査責任者、ジェレミ ー・バットストーンカー氏は「銀行株にはこの日、非常に大きな関心 が集まった」と指摘。「ドイツ銀行による資金調達が買収に活用され るための調達でないとすれば、皮肉屋は欧州の銀行ストレステストの 正当性について疑問を投げ掛けるだろう」と述べた。

ドイツ銀が安い

ドイツ銀行は4.6%安。関係者が匿名を条件に語ったところに よると、調達資金はドイツ・ポストバンク株の保有比率引き上げや、 厳格化する資本規制に対応するために活用されるという。

ガス・ナトゥラルは4%安。GDFスエズは、保有していたガ ス・ナトゥラル株5%のすべてを売却した。

プジョーシトロエングループとルノーはいずれも1.8%高。両 社は仏政府からの融資のうち10億ユーロを返済すると発表した。

◎欧州債:独2年債下落、景気回復兆候で-週間は3週連続安

欧州債市場ではドイツ2年債相場が下落。前週末比でも下げ、3 週連続安となった。世界的に景気回復が勢いを増しつつあるとの兆候 で、域内で最も安全とされるドイツ国債に対する需要が後退した。

独2年債利回りは約1カ月ぶりの高水準となった。9日発表され た米新規失業保険申請件数が市場予想を上回る減少だったのに加え、 日本の4-6月(第2四半期)国内総生産(GDP)の成長率が上方 修正されたことや、フランスの鉱工業生産がエコノミスト予想を上回 る伸びとなったことが背景にある。

野村ホールディングスのアナリストらによると、欧州連合(EU) 内の銀行の大半は資本が余剰にあり、バーゼル銀行監督委員会が策定 する自己資本比率の最低基準を容易に満たす見込みだ。

コメルツ銀行(フランクフルト)の金利ストラテジー責任者、ク リストファー・リーガー氏は、「リスク意識の変化が2年債利回りを 押し上げた」と述べ、景気回復の兆候は長期債よりも短期債に打撃を 与えるとの見方から、「ユーロ圏諸国の短期債にはまだ若干リスクが ある」と続けた。

ロンドン時間午後4時現在、独2年債利回りは前日比3ベーシス ポイント(1bp、bp=0.01%)上昇の0.74%と、先月5日以 来の高水準となった。週間ベースでは7bp上げた。10年債利回り は7bp上げ2.41%。3日以降では5bp上昇した。

◎英国債:10年債、週間で4月以降最大の下げ-景気回復で

英国債市場では10年債相場が下落。週間ベースでは4月9日以 降で最大の下げとなった。世界的な景気回復の改善兆候が強まる中、 安全とされる国債の需要が後退した。

10年債利回りはこの日、約3週間ぶり高水準を付けた。調査会 社アカデアメトリクスの10日発表で8月の英住宅価格が6カ月ぶり 高水準となったほか、日本の4-6月(第2四半期)国内総生産(G DP)の成長率が上方修正されたことが背景にある。9日発表された 米新規失業保険申請件数は市場予想を上回る減少だった。

RIAキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、ニック・ スタメンコビッチ氏(エディンバラ在勤)は、「英国債は全般的な国 債相場につれ安となっている」と述べ、「今週の経済データは前向き だったことから、国債相場の魅力が弱まった」と語った。

ロンドン時間午後4時43分現在、10年債利回りは前日比7ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し3.12%。一時は

3.13%まで上げ、先月16日以来の高水準を付けた。前週末比では 11bp上げ、3月以来で初めて2週連続で上昇した。同国債(表面 利率4.75%、2020年3月償還)価格は前日比0.6ポイント下げ

113.29。

ニューヨーク・ニューズルーム   1-212- 617-3007

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 名子 知子 Tomoko Nago-Kern +1-212-617-2407 tnagokern@bloomberg.net ニューヨーク 大塚 美佳 Mika Otsuka +1-212-617-5823 motsuka3@bloomberg.net Editor: Shigeru Chiba 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE