米国債(10日):10年債1カ月ぶり高利回り、景気観改善で

米国債市場では10年債が下落。 同利回りは1カ月ぶりの高水準に上昇した。米経済が再びリセッショ ン(景気後退)に陥ることはないとの兆候を手掛かりに、株式が買わ れたことが背景。

ウンダーリッヒ・セキュリティーズのマネジングディレクターで 米国債トレーディング責任者のマイケル・フランゼーズ氏は、「市場 参加者は米景気が思っていたほど悪くなく、二番底に陥ることはない とみている」と指摘。「株式相場との逆相関の関係がこの日も鮮明に 表れていた」と述べた。

10年債利回りは週間ベースでは、昨年10月以来の最長となる3 週連続の上昇となった。この日発表された7月の米卸売在庫は市場が 予想した以上に増加した。同利回りはこの日上げ幅を縮小する場面も あった。ボルカー元連邦準備制度理事会(FRB)議長が、世界的な 回復が持続するには世界経済の不均衡を是正する必要があると述べた ことがきっかけとなった。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時13分現在、10年債利回りは前日比3ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上昇の2.79%。同年債(表面利率

2.625%、2020年8月償還)価格は9/32下げて98 17/32。

10年債利回りは一時2.82%と、8月10日以来の高水準を付け る場面もあった。同日は米連邦公開市場委員会(FOMC)会合で、 政府機関債や住宅ローン担保証券(MBS)の償還金を米国債に再投 資することが決定された。

3週連続での利回り上昇

同利回りは週間ベースでは9bp上昇と、4月2日終了週に10 bp上昇して以来最大の上げとなった。3週連続での上昇は、昨年 10月23日までの3週間以降で最長。

2年債利回りは前日比ほぼ変わらずの0.57%。週間では6bp 上昇。8月24日には過去最低の0.4542%を付けた。

10年債と2年債の利回り格差は3日連続で拡大した。米景気回 復が失速しているとの懸念が和らいだことが背景。同利回り差は

2.21ポイントと、終値ベースでは8月10日以来の最大となった。

ジェフリーズ・グループのチーフ・テクニカル・ストラテジスト、 ジョン・スピネロ氏(ニューヨーク在勤)は顧客向けリポートで、10 年債利回りが9月末までに2.88%に上昇すると予想している。

10年債利回りはこの日米商務省が7月の卸売在庫を発表した後 も高水準を維持した。卸売在庫は前月比1.3%増加。伸び率は2008 年7月(1.5%増)以来の最大となった。ブルームバーグ・ニュース がまとめたエコノミスト予想の中央値は0.4%増加だった。

中国の輸出

中国通関当局によると、同国の8月の輸出は前年同月比34.4% 増、輸入は同35.2%増だった。貿易黒字は200億3000万ドルとな った。

米10年債利回りはこの日、上げ幅を縮小する場面もあった。ボ ルカー元FRB議長はカルガリーでの会議で、米国と欧州の経済がリ セッションから完全に回復するには数年はかかる可能性があると指摘。 中国など一部の新興国は「著しい」成長を遂げていると語った。

ブルームバーグがエコノミスト59人を対象に1-9日に実施し た調査によると、米国内総生産(GDP)成長率は2011年に平均で

2.5%となる見通し。先月時点の調査の2.8%を下回るほか、今年の 成長率予想の2.7%からも伸びが鈍化するとみられている。調査によ ると、個人消費は冷え込み、失業率は9%を超える水準で推移すると 見込まれている。