KDDI:田中専務が12月社長昇格、小野寺氏は会長専念(Update2)

国内通信2位のKDDIは10日、 小野寺正社長兼会長(62)がトップ就任10年目を節目として会長職に 専念し、後任の社長に田中孝司執行役員専務(53)が昇格する人事を 発表した。12月1日付。

小野寺氏は2001年6月社長に就任し、05年6月から会長を兼任。 2000年10月の発足時は2兆円あまりの有利子負債を抱えたKDDI の収益体質を、第3世代携帯の急速な展開や「着うた」ヒットなどを 通じて改善。NTTへの対抗策として東京電力の光ファイバー事業買 収や、ケーブルテレビ国内首位ジュピターテレコムへの出資などを進 めた。

田中氏はシステム構築のエンジニアとしての経験を持つ。高速無 線通信サービス展開のグループ会社UQコミュニケーションズの社長 を07年から務めた後、今年4月以降は電子書籍や楽曲配信などコンテ ンツ(情報の内容)関連を除く、全ての事業を統括している。

小野寺氏は10日の会見で、交代理由として「社長在任10年目の 節目」を迎えたことなどを挙げた。さらに、米国のグーグルやアップ ルが携帯関連に参入するなど通信業界の競争環境が変質する中でKD DIを成長させるには「トラフィック(通信収入)以外の売り上げを 増やす必要がある」と強調した。

その上で同社の携帯事業が、スマートフォン(多機能携帯)対応 の遅れなどで出遅れていると指摘、「私のような伝統的な通信事業者よ りも、IT(情報技術)技術者の性格を持つ」田中氏は携帯事業の巻 き返し役としても適任だと評した。

CEOは社長

12月以降の役割分担に関して小野寺氏は、自身は財界などへの対 外活動と、経営チェックであるコーポレートガバナンス(企業統治) の2つを手掛け、田中氏が「現業そのものの全てをやる」と説明。K DDIは最高経営責任者(CEO)や最高執行責任者(COO)を置 いていないものの「あえて言えばCEO的な仕事は社長が果たす」と 明言した。

一方で田中氏は、7月末に小野寺氏から社長就任の打診を受けた と説明。業界内の競争が大きく変質している中で「新たなKDDIを 作って行きたい」と抱負を述べた。

KDDIの株価は午前中に反発、前日比2.2%高まで買われていた が、午後1時過ぎに会見の報が伝わると一時、小幅安に転じ同0.9%安 まで売られた。引けにかけて再び上昇し、終値は同3000円(0.7%)高 の 41万500円。

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