米商業用不動産:ホテル買収が増加-客室稼働率・料金上昇で妙味拡大

米商業用不動産市場では、ホテルの 買収がオフィスビルやショッピングセンターなど、その他すべての分 野の取引を上回るペースで拡大している。客室稼働率や宿泊料金の上 昇がホテル業界に追い風となっていることが理由だ。

不動産調査会社リアル・キャピタル・アナリティクスによると、 ホテルの売却総額は今年1-6月(上期)に前年同期比136%増の31 億9000万ドル(約2690億円)と、同社が調査対象とする商業用不 動産5分野で最大の増加率となった。統計は500万ドル以上の取引を 対象としており、カジノ併設のホテルは含まれない。

昨年のリセッション(景気後退)で客室稼働率は30年ぶり低水 準に落ち込んだが、出張や観光旅行の持ち直しが米宿泊産業の回復を 支えている。オフィスや小売店舗向け物件の賃貸は契約期間が数年に わたる場合が多いが、ホテルは経済成長に乗じて迅速な値上げが可能 だ。

アトランタを本拠とする不動産開発業者、ポートマン・ホールデ ィングスの買収・運営担当幹部、リチャード・ジョーンズ氏は「ホテ ル業界は既に景気低迷の影響を吸収した」と指摘した上で、「低迷がほ かの商業用不動産に与える影響はそれほど明らかではない」と述べた。 リセッション前に賃貸契約を結んだオフィスやショッピングセンター その他ビルの所有者は現在、「賃貸収入の大幅な引き下げ」につながる 合意書にサインしているという。

ホテルの収入は増加している。スミス・トラベル・リサーチによ ると、米主要25市場の1-6月の利用可能な客室当たりの収入(R evPAR)は73.87ドルと、前年同期の71.08ドルから拡大。客 室稼働率は同期間に59%から63%に上昇したものの、2008年の66% は下回っている。