振興銀が破綻申請「特異ビジネス」で債務超過-負債6200億円

経営再建中の日本振興銀行(東京都 千代田区)は10日午後、自力再建を断念し、東京地裁に中に民事再生 手続きを申し立てた。預金保険機構が発表した。ずさんな融資で不良債 権が増え債務超過に陥った。帝国データバンクによると負債総額は6195 億円と今年3番目の規模。銀行による初の再生法申請となった。

これに伴い金融庁は1人当たり元本1000万円とその利息までしか 預金を保護しないペイオフ初めて実施する。ただ同行の1000万円超の 預金者は3500人、総額460億円と金額で全体の8%以下で決済機能も 持たないため、自見庄三郎金融担当相は破たんの金融システムへの影響 は限定的との認識を示した。同庁は同行に全業務停止命令を出した。

債務超過の原因について自見金融相は、貸金業者から債権を買い取 り親密な顧客に融資を拡大する「特異なビジネスモデルの下で十分な与 信審査を行わなかった」と指摘した。振興銀の2010年3月期は51億円 の赤字。債権を厳格に査定した結果、債務超過に陥った。預保子会社が 最終的な受け皿が決まるまで継承銀行となる。

同行の8月末の債務超過額は1804億円、6月末の純損失は2157億 円だった。自見金融相は会見で受け皿は決まってないと述べた。金融整 理管財人の預保が、受け皿探しや旧経営陣の責任を追及するとの見通し を示した。免許付与当時の竹中平蔵金融相らの道義的責任も問われると の認識も示した。

預金者、市場は「厳しい目」

振興銀は非上場会社。木村剛前会長、西野達也社長らが銀行法違反 (検査忌避)容疑で逮捕され、社外取締役で作家の江上剛(小畠晴喜) 氏が社長に就任して経営立て直しを進めていた。6月末時点の総資産は 4935億円で預金量は6101億円。銀行としてはと第二地銀下位行並みの 規模だ。ペイオフは2005年に解禁された。

振興銀の江上社長は都内で会見し、今後の再建の方向や受け皿探し について、「これまでも中小企業向けに特化した当行の事業モデルに興 味を持つ米国、中国、アジアのファンドなどと接触してきた」と説明。 こうした投資家などが、同行の経営再建に参画していくことに期待感を 示した。

金利の高さから、夫が振興銀に預金していた都内の主婦中村優子さ ん(32)が心配で急きょ訪れた新橋支店は閉鎖中だった。「夫は迷って いたが、金利がよかったので1年定期で1000万円預金した」。今回は全 額保護されるが「次はもっと慎重に銀行を選びたい」という。振興銀の 1年定期の預金金利は0.6%と他行の6倍程度ある。

シティグループ証券野崎浩成シニアアナリストは、10日付レポート で今回の破たんについて「特殊なケースで金融不安が再燃する恐れはな い」と指摘した。一方で、「財務体力が脆弱な金融機関を中心に市場が より注意を払って投資対象を選別していく可能性が高い」と分析。ペイ オフ実施の社会的な影響を注視している。

--取材協力:澤和世 Editor : Kazu Hirano Hidekiyo Sakihama

参考画面: 記事についての記者への問い合わせ: 東京 河元 伸吾 Shingo Kawamoto +81-3-3201-3540 skawamoto2@bloomberg.net

谷口崇子 Takako Taniguchi +81-3-3201-3048  ttaniguchi4@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ: 大久保 義人 Yoshito Okubo +813-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net Chian-Wei Teo +813-3201-3623 cwteo@bloomberg.net