日本株は先物主導で続伸、米雇用の悲観後退-輸出高い

東京株式相場は先物主導で続伸。 米国の新規失業保険申請件数が予想より大幅に減少し、景気や企業業績 に対する過度の懸念が後退した。自社株買いの材料もあったキヤノンを はじめ、電機や化学、機械など輸出関連株中心に上昇。海運や小売株も 買われた。

日経平均株価の終値は前日比140円78銭(1.6%)高の9239円17 銭、TOPIXは6.88ポイント(0.8%)高の833.72。

三菱UFJ投信運用戦略部の宮崎高志副部長は、「米雇用情勢は緩 やかながらも回復トレンドにあり、下向きを織り込んでいる市場とのギ ャップが生じている」と指摘。株価水準は数年単位で見たボトム圏にあ り、「年末までのどこかで景気指標の鈍化を織り込み、底入れに向かう だろう」との見方を示していた。

取引開始時に算出された日経平均先物・オプション9月限の特別清 算指数(SQ)は9150円32銭となり、9日の日経平均の終値9098円 39銭を51円93銭上回った。東海東京調査センターの隅谷俊夫投資調 査部長によると、「株価の絶対水準が低いだけに、SQ算出を通過して 株価指数先物に新たに買いから入る向きが多い」といい、さらに株価が SQを上回って推移したことで、需給改善への期待も広がった。

4日までの1週間の米新規失業保険申請件数が9日に発表され、前 週から2万7000件減少し45万1000件となった。ブルームバーグ・ニ ュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は47万件。野村証券の若 生寿一シニアストラテジストは、「米企業の業績回復が民間雇用増加の ドライバーになっている。方向としては雇用がさらに悪くなる状況では なくなってきた」と指摘。行き過ぎた景気懸念は収まった、と見る

円高の勢い一服

為替市場では、良好な経済指標を受けたリスク回避姿勢の後退と、 日本振興銀行(東京都千代田区)の破たんに対するペイオフ発動もあっ て、一時は6日以来の円安水準となる1ドル=84円20銭台まであった。 急激な円高の勢いがやや一服したことや、日本政府の緊急経済対策期待 が後押しし、「これまで下落していた銘柄を中心に買い戻されている」 とビバーチェ・キャピタル・マネジメントの三井郁男シニア・ファンド マネジャーは話した。

きょう大きな節目を通過した需給面では、上場企業の上期(4-9 月)決算期末である9月末が接近してきた。東海東京調査センターの隅 谷氏によると、「来週以降は配当取りの動きが相場の下値を支えそう」 という。

一方、金融庁は10日付で日本振興銀行にすべての業務を停止する よう、行政処分を発令した。債務返済が不可能になったとの報告を受け た措置で、破たんに伴い金融庁は一定金額までしか預金を保護しないペ イオフを初めて発動するが、全体相場への影響は限定的だった。

東証1部の売買高は概算で21億9089万株、売買代金は同1兆 6661億円で、SQ算出に伴い増加した。値上がり銘柄数は1097、値下 がりは435。

キヤノンが活況、乃村工芸は急落

個別の銘柄では、自己株式の取得発表で需給改善期待が高まり、経 営陣の業績への自信の表れとしても評価されたキヤノンが東証1部売買 代金首位で急伸。野村証券が半導体製造装置の強気判断を強調し、東京 エレクトロンが反発。中国でのネット通販の開始観測からコクヨやファ ーストリテイリングも高い。

半面、一部の大型案件で予定を上回る原価が発生したうえ、価格競 争の激化も響き2011年2月期の利益予想を減額修正した乃村工芸社が 急落。業績の低迷予想から、JPモルガン証券が「ニュートラル」に格 下げした野村ホールディングスは4日続落した。信用リスクが意識され たことで、東証1部値下がり率上位には武富士、プロミスなど消費者金 融株の一角が入った。

新興市場は続伸

新興市場もそろって続伸。ジャスダック指数の終値は前日比0.6% 高の48.19、東証マザーズ指数は0.3%高の378.21、大証ヘラクレス指 数は0.2%高の574.30。

個別の材料銘柄では、10月の新たなジャスダック市場開設に伴っ て改正された「J-Stock銘柄」に選定されたベクターが大幅高。 ソフトバンクなどを割当先として新株予約権を発行するフライトシステ ムコンサルティングは値幅制限いっぱいのストップ高となった。売買代 金上位では、楽天、ミクシィ、ブロードメディアが上げた。

半面、経営破たんした振興銀が保有するニッシン債権回収がストッ プ安となり、インデックス・ホールディングスや中小企業信用機構も急 落した。売買代金上位ではティー・ワイ・オー、スカイマーク、ウェッ ジホールディングスが下げた。

--取材協力:池田亜希子 Editor:Shintaro Inkyo、Makiko Asai

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