4-6月期GDPは年率1.5%増に上方修正-伸びは鈍化

今年4-6月期の実質国内総生産 (GDP)2次速報は前期比年率1.5%増と、1次速報(0.4%増)か ら上方修正となった。設備投資の増加と在庫投資の上方修正が主因で、 市場の事前予想とも一致した。同期の日本経済は引き続き、輸出主導 で成長していることが確認されたが、前2四半期から伸び率は鈍化し ており、年末に向けて踊り場入りする可能性も指摘されている。

内閣府が10日発表した四半期別国民所得統計(2次速報)による と、物価変動の影響を除いた4-6月期の実質GDPは、前期比0.4% 増(1次速報0.1%増)。法人企業統計の関連指標も加えた結果、設備 投資は1.5%増(同0.5%増)、在庫投資の寄与度はマイナス0.1%(同 マイナス0.2%)となった。GDPの約6割を占める個人消費は、同 横ばい(同横ばい)。輸出は同5.9%増(同5.9%増)だった。

荒井聡国家戦略兼経済財政担当相は10日午前の閣議後会見で、G DP2次速報を受けて「民間設備投資などが極めて順調だったという ことで、景気の持ち直しという方向性は依然として変わっていない」 との認識を示した。一方で先行きは「まだまだ予断を許さない」と語 った。

エコノミストを対象としたブルームバーグ・ニュースの事前調査 では、4-6月期の実質GDP2次速報の予想中央値は前期比0.4% 増、年率換算では1.5%増だった。

第一生命経済研究所の新家義貴主任エコノミストは統計発表後、 前期比年率1.5%増との結果について、過去2四半期から伸びが明確 に鈍化したとする一方で、減速度合いは1次速報段階での想定より緩 やかだと指摘。4-6月期段階では、景気はあくまで「減速」にとど まり、「踊り場入り」のタイミングは、2010年10-12月期以降になる との見方を示した。

追加経済対策で景気てこ入れ

海外の経済動向をみると、4-6月期の米国のGDPは前期比年 率1.6%増加と、速報値の2.4%から下方修正。また、中国の同期のG DPは前年比10.3%増と1-3月期の11.9%増から減速している。

こうした海外経済の減速や円高・株安による景気下振れリスクを 踏まえ、政府は10日午前の閣議で、雇用奨励金の創設や企業の設備投 資支援策、住宅・家電エコポイント延長などを柱とした緊急経済対策 を閣議決定した。財源は2010年度予算の予備費9150億円程度を活用 し、事業規模は約9.8兆円。政府はこれによるGDP押し上げ効果は

0.3%程度、雇用創出・下支え効果は20万人程度と試算している。

景気は年末に向け減速か

シティグループ証券の村嶋帰一チーフエコノミストは7-9月期 について、前期比年率2%台半ばが見込まれると予測。背景として輸 出と設備投資が緩やかな増加基調を維持した可能性が高いほか、猛暑 やエコカー補助金終了前の需要前倒しが個人消費を一時的に押し上げ るとみる。

一方、10-12月期については、エコカー補助金終了に伴う自動車 販売の落ち込みや、たばこ税引き上げ前の買いだめの反動などで、「個 人消費は前期比で明確に減少し、GDP成長率も小幅なマイナス」を 予想する。仮にマイナス成長の場合は「日銀に対する追加緩和圧力が 強まる可能性も否定できない」との見方を示した。

政府は緊急経済対策の中で、日銀に対しては、「さらなる必要な政 策措置を取ることを期待する」とし、デフレ脱却に向け追加金融緩和 を要請する可能性を示唆している。

二番底は回避も

2次速報の住宅投資は同1.3%減(1次速報1.3%減)、公共投資 (公的固定資本形成)は同2.7%減(同3.4%減)となった。輸出から 輸入を引いた外需の成長率への寄与度はプラス0.3%(同プラス

0.3%)、内需の寄与度は横ばい(同マイナス0.2%)だった。

物価変動の影響も含めた4-6月期の名目GDPは前期比0.6% 減(1次速報は同0.9%減)、年率換算は2.5%減(同3.7%減)とな った。GDPデフレーターは、前年同期比1.7%低下(同1.8%低下) と、引き続きデフレ状況にあることを示した。

大和総研の熊谷亮丸チーフエコノミストは今後の日本経済につい て、当面「踊り場」入りの可能性が高まっているが、景気拡大のすそ 野が広がってきたこともあり、メーンシナリオとして「景気二番底」 は回避される見通しであるとの見方を示す。

内閣府は、10年度の同府年央試算(実質成長率2.6%程度)を実 現するために必要な7-9月期以降の各四半期の伸び率を、前期比

0.6%増程度(年率換算2.3%増程度)と試算している。

内閣府の外郭団体、社団法人・経済企画協会が8日に発表した民 間エコノミストを対象としたESPフォーキャスト調査(回答期間8 月25日-9月1日、回答数42人)によると、7-9月期の実質成長 率(前期比年率)は平均2.09%、10-12月期は同0.83%、来年1- 3月期は同0.92%のプラス成長が見込まれている。

--取材協力:Minh Bui, Theresa Barraclough Editor: Norihiko Kosaka, Hitoshi Ozawa

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