債券下落、5年入札結果低調で午後に一段安-振興銀破たんの影響限定

債券相場は下落。前日の米国市場 で株高、債券安となった流れを引き継いで売りが先行した。午後に入 ると5年債入札結果が低調だったことから需給悪化懸念が強まり、下 げ幅が拡大した。一方、日本振興銀行の経営破たんによる相場への影 響は限定的だった。

東海東京証券の佐野一彦チーフストラテジストは、「前日の米国市 場で株高、債券安となったことを受けて、国内も株高となり、外部環 境は逆風となったほか、5年債入札結果も悪かった。日本振興銀行の 経営破たんは、ニュース性はあるが円債相場には全然関係ない」と述 べた。

東京先物市場で中心限月12月物は、前日比17銭安の141円45 銭で始まった。午前は141円40銭台を中心に推移したが、午後に入る と売りが優勢となり、一時は41銭安の141円21銭まで下げた。結局 は39銭安の141円23銭と、この日の安値圏で終了した。

財務省が10日に実施した表面利率(クーポン)0.4%の5年利付 国債(91回債)の入札結果は、最低落札価格が100円20銭、平均落 札価格は100円24銭となった。

最低落札価格は事前予想の100円24銭を下回った。小さければ好 調とされるテール(最低と平均落札価格差)は4銭と前回の1銭から 拡大。応札倍率は2.79倍となり、09年10月以来の低水準となった。

5年債入札結果について、JPモルガン証券の黒田真琴債券スト ラテジストは、「予想より弱い結果だった。短期的に為替が円安に動い ていること、最近の米国金利の上昇のほか、株価も上昇して、債券相 場が下落している。こうしたことが、投資家が入札に慎重となった要 因かもしれない」と説明した。

みずほ証券の三浦哲也チーフマーケットアナリストも、「それなり に良い結果を見込んでいたのでショックだった。相場の地合いがかな り悪化しているようだ」と指摘した。需給悪化懸念で、前回入札され た5年物の90回債利回りは4.5bp高い0.345%に上昇している。

日本相互証券によると、この日入札された5年物の91回債利回り は業者間市場では0.35%で寄り付いた後、0.38%で推移している。

10年債利回りは一時1.155%

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の310回債利回 りは、前日比1.5bp高い1.135%で始まった。しばらく1.135-1.14% で推移していたが、午後2時以降に水準を切り上げ、一時は3.5bp高 い1.155%と3日ぶりの高水準を付けた。午後4時19分現在では3bp 高い1.15%で取引されている。

9日の米国債相場は大幅続落。新規失業保険申請件数の予想以上 の減少や貿易赤字の縮小が示されたことを背景に、30年債入札で応札 が振るわず、市場で売りを誘った。米10年債利回りは前日比10ベー シスポイント(bp)高い2.75%程度。一方、米株相場は続伸した。

HSBC証券の白石誠司チーフエコノミストは、「米長期債利回り が2.4%台から2.7%台に上がってきた。米債相場では上昇トレンドが いったん止まった感じもあり、若干調整感が出ている」と語った。

超長期債も売られた。新発20年債利回りは一時2.5bp高い

1.925%、新発30年債利回りは2bp高い2.035%まで上昇した。

来週14日に民主党代表選と20年債の入札が予定されていること から、投資家の慎重姿勢は強いようだ。シティグループ証券の道家映 二チーフJGBストラテジストは、20年債入札を鬼門に挙げ、「民主 党代表選の投開票と重なるうえ、四半期末前に在庫を抱え込みたくな いため、証券会社は慎重な応札姿勢で臨むだろう」とみている。

初のペイオフ発動

経営再建中の日本振興銀行は自力再建を断念し、東京地裁に10 日中に民事再生手続きを申し立てる。金融庁が同日、振興銀から債務 超過に陥り法的手続きを進める申し出を受けたと発表した。この破た んに伴い金融庁は一定金額までしか預金を保護しないペイオフを初め て発動する。

今回の破たんについて、同行は日銀当座預金に口座を持たず、民 間銀行間の決済システムに参加していない上、インターバンク市場で の資金調達もないため、短期金融市場に与える影響はないとみられて いる。東海東京証の佐野氏は、「決済性預金を扱っておらず、金融シス テムにも影響はない」と話した。日銀は朝方に金融システムの安定性 に影響ないとする総裁談話を発表した。

預金保険制度の発足以降、初のペイオフが発動されることについ て、日興コーディアル証券の末沢豪謙金融市場調査部長は、市場への 影響は限定的としながらも、「初のペイオフ解禁というアナウンスメン ト効果が今後の預貯金の流れに若干の影響を与える可能性は否定でき ない」とも言う。

--取材協力:菅野顕一郎 Editors:Hidenori Yamanaka, Joji Mochida

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