NY外為:ドル下落、リスク志向-米経済統計など受け

ニューヨーク外国為替市場では、 ドルがほとんどの主要通貨に対して下落。米失業保険申請件数が予 想以上に減少したほか、貿易赤字が予想以上に縮小したことで、米 景気回復の腰折れ懸念が後退した。

世界的に株価が上昇するなか、ドルは主要16通貨中、11通貨 に対して値下がりし、円も下落した。オーストラリア・ドルは米ド ルに対し4カ月ぶり高値に上昇。8月の豪州の雇用者数が予想を上 回る伸びとなったことに反応した。カナダ・ドルは3週間ぶり高値 を付けた。前日に政策金利を引き上げたカナダ銀行(中央銀行)が 今後も利上げを続けるとの観測が広がった。

オンラインでの為替取引を扱うGFTフォレックスの為替調 査担当ディレクター、キャシー・リーン氏(ニューヨーク在勤)は 「9日発表の米経済指標はともに、米経済が正しい方向に向かって いることを示唆している。また、10-12月(第4四半期)に景気 が一段と大幅に減速すると米連邦準備制度理事会(FRB)がやや 懸念し過ぎていることも恐らく示している」と語った。

ニューヨーク時間午後4時21分現在、ドルはユーロに対し1 ユーロ=1.2704ドル(前日は1.2720ドル)。ユーロは円に対し て0.2%安の1ユーロ=106円49銭(前日106円69銭)。円 の 対ドル相場は1ドル=83円83銭(前日83円88銭)。豪ドル は 対米ドルで0.6%上げて1豪ドル=0.9235米ドル。一時0.9277 米ドルと、4月30日以来の高値を付けた。

株式市場では、MSCI世界指数が0.6%高。S&P500種株 価指数は0.5%上昇した。

経済統計

米労働省が発表した4日に終わった1週間の新規失業保険申 請件数 (季節調整済み)は前週から2万7000件減少して45万 1000 件。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想 の中央値は47万件だった。

また商務省が7月の貿易収支統計によると、財とサービスを合 わせた貿易収支(国際収支ベース、季節調整済み)は428億ドル の赤字と、前月の498億ドル(速報値499億ドル)から赤字幅が 14%縮小した。縮小率は2009年2月以来最大。輸入が減少したほ か、輸出が約2年ぶり水準に回復したことが背景にある。ブルーム バーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は470億 ドルの赤字だった。

円はドルに対し15年ぶり高値付近で推移。野田佳彦財務相が、 為替介入の実施について「いろいろとシミュレーションはしている」 と発言したほか、「必要な時には断固たる措置を取るという方針に 変わりはない」と言明したものの、大きな円売り材料にはならなか った。

円の需要

為替取引を手掛けるテンパス・コンサルティングのストラテジ スト、ジョン・ドイル氏は「市場に暗雲を漂わせている世界的な不 透明感に対するヘッジとして、投資家は引き続き円を大きく買い入 れている」とした上で、「野田財務相の発言は、この夏に行った発 言としては恐らくかなり強いものだ」と述べた。

ブルームバーグ相関加重通貨指数によれば、円は年初から 15%上昇と、先進国通貨の中で上昇率トップとなっている。ユーロ は10%下落、ドルは2.2%上昇だ。

豪ドル、カナダ・ドル

オーストラリア統計局の発表によると、同国の8月の雇用者数 は前月比3万900人増加した。ブルームバーグがまとめたエコノ ミスト25人の予想中央値は2万5000人増が見込まれていた。こ れに反応し、豪ドルは買い進まれた。

カナダ・ドルは対米ドルで0.4%高の1米ドル=1.0339カナ ダ・ドル(前日は1.0375カナダ・ドル)。一時1.0302カナダ・ ドルと、8月19日以来の高値を付けた。

カナダ中銀は8日、政策金利を0.75%から1%に引き上げた ほか、年内に再度引き上げる可能性を示唆した。