アイルランド:アングロ銀の「埋葬」計画でも疑問は生き残り

アイルランドのレニハン財務相は 8日に、同国の大手銀行アングロ・アイリッシュ銀行救済のコスト をこれ以上動かない「完了状態」にするため、同行を分割する計 画を明らかにした。同行の「埋葬」の道筋を示したとも言える計画 だが、最終的なコストが幾らなのかという疑問の方は生き残ってい る。

政府はアングロ銀を、預金を保持する「グッドバンク」と貸し 出し債権を徐々に整理するアセットリカバリー(資産回復)バンク とに分割する計画。アイルランド中央銀行は10月に、資本注入の 必要額を決定するとしている。

アルスター銀行のチーフエコノミスト、サイモン・バリー氏は 「アングロ銀への最終的な資本注入額について政府が明らかにする という段階が残っている。この不確実性をできるだけ早急に取り除 くことが非常に重要になる」と述べた。

アイルランド政府は2009年1月に国有化したアングロ銀に既 に229億ユーロ(約2兆4500億円)を注入しており、格付け会社 スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は最終的な負担額を350 億ユーロと試算した。これは同国の今年の予想税収を約10%上回る。

アイルランド中銀のホノハン総裁は、救済コストは最大で250 億ユーロとの見積もりを示している。レニハン財務相は9日、ダブ リンのラジオ局ニューストークとのインタビューで、銀行救済の最 終コストは手に負える範囲だとし、アングロ銀が国家を破産させる ことはないと語った。また、欧州連合(EU)が取りまとめた救済 基金を利用する必要はないと強調した。

一方、野党労働党の財務担当報道官、ジョーン・バートン氏は、 政府の計画は「積み上がるアングロ銀の損失について、ここまでと いう線を引くことはできていない。従って、財政をめぐる不透明感 の払しょくにつながっていない」として、問題を10月まで先送り しただけだと批判した。