野田財務相:中国の日本国債買いに関心-「門戸開放」を要請も

野田佳彦財務相は9日午前の参院 財政金融委員会の閉会中審査で、中国の日本国債購入について「動向 を注目している。本当の意図は分からないが、中国当局と緊密に連携 を図りながら、その意思を確かめながら推移を見守っていきたい」と 述べ、強い関心を示した。

財務相はまた、中国国内での取引に限定されている中国国債につ いて「中国の外貨準備が日本国債を買えるのに、日本の外貨準備では 買えないことは不自然さを感じる」と述べ、中国に「門戸開放」を要 請する可能性を示唆した。

中国の日本国債の購入額は今年に入って急増している。財務省の 国際収支によると、1-7月の累計では2兆3157億円の買い越しで、 過去最高額だった2005年通年の約9倍に上っており、その大半は短期 債だ。一方で、韓国金融監督院(FSS)のデータによると、韓国国 債の保有高も今年上半期で年初に比べ2倍強(111%増)の3兆9900 ウォン(約2900億円)に達した。

中国は主に米ドルで保有していた外貨準備の運用先の多様化に乗 り出しており、日本国債への投資もその一環との受け止めが多い。日 本にとっては国債消化や国債保有者の多様化からプラスとの見方があ る一方で、中国は保有する米ドルなどを売って円を買うとみられるこ とから、15年ぶりの円高で景気下振れの懸念が出ている日本にとって は痛し痒し(かゆし)の側面もある。

外債の購入はニーズに基づく

中国外務省の姜瑜報道官は同日夕、北京で記者団に対し、「中国 の準備資産管理は常に、安全性と流動性、価値を考えた判断に従う。 ある国の債券を購入するかどうかはわれわれの必要性に基づいて決定 する」との見解を示した。

みずほ証券の上野泰也チーフエコノミストはリポートで、中国が 5月に購入したのは国庫短期証券との見方を示した上で、5月に買い 越した3カ月物が償還を迎える8月分の購入額に特に注目しているこ とを明らかにしている。その上で、「今般の円高ドル安の原因として、 中国による日本の証券購入を指摘する向きもあるが、違和感を覚える」 との見方を示している。

野田財務相はまた、日本の外貨準備による中国国債購入の可能性 について、「外貨準備は将来の為替介入に必要な通貨を保有する考え 方から米ドルを中心に運用している」と説明した上で、「その目的や 運用における流動性、安全性を確保するという方針に沿って検討され るべき課題だ」と言明した。一方で、中国国債が同国国内でだけで売 買されている問題点も指摘、「当局間でその改善に向けて話し合う余 地はある」と語った。

中国は、一定の条件を満たした国外機関投資家にのみに中国債券 市場への投資を認める適格外国機関投資家(QFII)制度を02年 12月に導入している。

中国の外貨準備は2兆4500億ドル(約209兆円)と世界最大規模。 中国国家外為管理局(SAFE)は今年7月、ドルとユーロ、円が主 要な外貨準備通貨と位置づけ、構成比率を積極的に調整する方針を示 していた。一方、日本の外貨準備は約1兆700億ドル(約90兆円)と 世界第2位。

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