今日の国内市況:日本株は3日ぶり反発、債券高-ユーロは反落

東京株式相場は3日ぶりに反発。ポ ルトガルの国債入札が順調だったことで、欧州の財政や景気に対する 懸念が和らぎ、自動車や電機など輸出関連、鉄鋼など素材関連株中心 に高くなった。原油や銅など国際商品市況の上昇を好感し、商社や非 鉄金属株も高い。

日経平均株価の終値は前日比73円79銭(0.8%)高の9098円39 銭、TOPIXは5.85ポイント(0.7%)高の826.84。

きのうの日本株の下落要因だった欧州財務懸念が後退、円高も小 康状態となったことを受け、終日堅調な動きを見せた。ポルトガル政 府は8日に国債入札を実施し、2021年償還債の応札倍率が2.6倍と前 回3月の1.6倍を上回った。ポーランドが実施した5年債入札は、需 要が08年以来の最高だった。

為替市場では、きのう15年ぶりの高値を付けた1ドル=83円35 銭に比べ、83円台後半での動きと急激な円高はやや一服。欧州での国 債入札での需要改善から域内債務危機が悪化するとの懸念が後退し、 日本政府が為替介入に踏み切るとの観測も材料となっている。

業種別では、きのう大きく下げた輸出関連株に加え、商社や非鉄 金属が高くなった。原油や銅、ニッケルなどきのうの海外商品市場が 上昇。さらに大和証券キャピタル・マーケッツでは、株価調整で悪材 料は織り込まれたとし、総合商社セクターの業界判断を「強気」に引 き上げた。個別でも格上げした三井物産や三菱商事を中心に、商社株 は堅調。住友金属鉱山や三菱マテリアルなど非鉄株も上げた。

もっとも、東証1部の売買代金は8月23日以来の1兆円割れとな るなど、売買エネルギーは低調だった。

東証1部の売買高は概算で13億396万株、売買代金は同9122億 円。値上がり銘柄数は1128、値下がり銘柄数は369。

長期金利が低下

債券相場は続伸。前日の米国市場が株高、債券安、円高一服とな ったため、国内債市場も株価反発などを手掛かりに売りが先行した。 しかし、日本銀行による追加緩和の観測が支えとなり、午後に入ると 買いが優勢になって長期金利は低下に転じた。

東京先物市場では午前の取引で9月物と12月物の売買高が逆転 して、中心限月は期先の12月物に移行した。12月物は前日比14銭安 い141円48銭で始まり、開始後しばらくは141円50銭を挟んで推移 した。しかし、午後に入って買いが優勢となると一時は12銭高の141 円74銭まで上昇しており、結局は変わらずの141円62銭で終了した。

前日の米国市場での株高や円高一服などを受けて朝方には先物売 りが先行。8日の米国市場では欧州のソブリン債危機の緩和が材料視 され、ダウ工業株30種平均など主要な株価指数が反発する一方、米 10年債利回りは6ベーシスポイント(bp)高の2.67%付近で引けた。 為替相場は一時1ドル=84円付近までドル高・円安となった。

もっとも、日経平均株価が朝高後に伸び悩んだほか、為替相場の 円安圧力も限定的だったため、先物12月物は売り一巡後にもみ合い推 移が続いた。

為替市場では今後のドル安・円高見通しが根強いことが、日銀に よる追加緩和の観測につながっており、午後の債券先物相場を押し上 げるきっかけとなったもよう。

8日の外国為替市場では1ドル=83円35銭を付け、1995年5月 以来のドル安・円高を記録した。その後いったんは円高圧力が緩和し ている。

現物市場で新発10年物の310回債利回りは、8日終値より1bp 高い1.14%で始まり、午前には1.14-1.145%でもみ合った。しかし、 午後に入って買いが優勢となると前日終値を下回る展開となり、2時 過ぎには1.5bp低い1.115%まで下げた。

310回債利回りは6日午後には1.195%まで上振れて、新発10年 債として2カ月半ぶりの高水準を記録したが、前日からは1.1%台前 半から半ばで落ち着きを取り戻している。

一方、8日午後には20年や30年債など超長期ゾーンが売り込ま れたが、円高に伴う追加緩和の憶測から中期債には買いが入るなど、 利回り曲線にはスティープ(傾斜)化圧力がかかっていた。この日も、 5年債利回りが1bp高の0.30%となったのに対して、20年債は一時 2bp高い1.915%を付けるなどスティープ化が進む場面があった。

ユーロ反落

東京外国為替市場ではユーロが反落した。欧州中央銀行(ECB) の理事がドイツの銀行の資本不足を指摘したことが伝わり、欧州の金 融システムに対する懸念が再び強まった。ユーロは前日の海外市場で 反発していたが、上昇幅のほとんどを吐き出す格好となった。

ユーロは対円で朝方に1ユーロ=107円付近まで値を切り上げる 場面も見られたが、午後には105円97銭まで下落。対ドルでは1ユー ロ=1.2700ドルを割り込み、1.2665ドルまで値を下げた。

ECBのシュタルク理事はドイツの銀行が資本をさらに必要とし ていると述べた、とフィナンシャル・タイムズ・ドイツ版(FTD) が伝えた。FTDによると、同理事はメルケル首相率いるキリスト教 民主同盟(CDU)の議員との会合で語った。FTDによれば、同理 事は貯蓄銀行と州立銀行が特にリスクにさらされていると述べた。

欧州債務危機の再燃懸念を背景に8日の東京外国為替市場ではユ ーロが対円で一時、105円80銭まで下落し、8月24日に付けた約9 年ぶり安値(105円44円)に接近。対ドルでは一時、約1週間ぶり安 値となる1.2659ドルを付け、対スイス・フランでは1999年のユーロ 導入以来の最安値を更新する場面が見られていた。

その後の海外市場ではポルトガルとポーランドが実施した国債入 札が順調だったこともあり、欧州不安が一服。ユーロは対ドルで1.27 ドル台後半、対円で107円台前半まで反発していたが、この日の東京 市場ではシュタルク理事の発言をきっかけに欧州不安が再燃し、午後 にはユーロ売りが先行する展開となった。

また、ユーロ安・円高につられる形で、ドル・円は1ドル=84円 ちょうど前後から一時、83円60銭までドル安・円高が進行。ただ、 日本の当局による円売り介入への警戒感もあり、積極的に円の上値を 追う動きは限られた。

野田佳彦財務相は9日午前の参院財政金融委員会の閉会中審査で、 円高に対し「必要な時には断固たる措置を取るという方針に変わりは ない」と、介入も辞さない姿勢をあらためて示し、為替介入の実施に ついては「いろいろとシミュレーションはしている」を語った。

円は8日の東京市場で一時、83円35銭と1995年5月以来の高値 まで上昇。その後の海外市場では反落し、一時は84円4銭まで値を切 り下げる場面が見られていた。

一方、日本時間午前10時半に発表されたオーストラリアの8月の 雇用統計では、雇用者数が前月比3万900人増加とブルームバーグが まとめたエコノミスト調査の予想中央値(2万5000人増)を上回った。 失業率も5.1%と前月の5.3%から予想以上の低下となった。

好調な雇用情勢を受けて、オーストラリア・ドルは対ドルで約4 カ月ぶり高値まで上昇。対円でも一時、豪ドル買いが強まる場面が見 られた。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE