円は10月にも対ドルで80円割れ試す、日銀追加緩和-トヨタアセット

トヨタアセットマネジメントの深代 潤チーフファンドマネジャーは、外国為替市場で円相場が今年10月に も対ドルで1ドル=80円割れを試し、日本銀行に対する追加緩和圧力 が高まるとの見通しを示した。

深代氏は8日、ブルームバーグとのインタビューで、「年内は、円 高の状況は変わらないだろう。11月2日の米国中間選挙に向けて、10、 11月ごろに80円を割り込み、79円を目指す展開があってもおかしく ない」と述べた。円相場は8日、一時1ドル=83円35銭と約15年ぶ りの水準まで円高・ドル安水準を付けた。

米商務省が発表した7月の新築住宅販売戸数(年率換算)は前月 比12.4%減少して27万6000戸と、1963年の調査開始以来で最低を記 録。8月の米失業率は9.6%と高止まりしている。

深代氏は、「米国の住宅・雇用環境が改善しないと円高基調は反転 しないだろう。海外が自国通貨安を容認しやすい状況下で、日本の民 主党政権は円高に対応する手段を持っていない」と説明した。その上 で、「日銀にも追加緩和圧力がかかり続けるだろう。円高の影響が実体 経済を下押ししてくるため、追加緩和を行う可能性がある」と見込ん でいる。

日銀は8月30日に臨時で金融政策決定会合を開き、新型オペの増 額や期間延長などの追加緩和策を決めたが、金融市場への影響は限定 的で、円高圧力はくすぶり続けている。日銀はさらに、今月6、7日 に開催した金融政策決定会合の声明文で、今後の金融政策運営につい て「必要と判断される場合には適時・適切に政策対応を行っていく」 と表明。追加的な金融緩和の可能性を示唆している。

追加緩和の効果に疑問

しかし、深代氏は、今後日銀が追加緩和を実施しても、対処療法 に過ぎないと指摘。「資金の供給不足ではなく、需要不足がデフレの原 因。国債買い切りオペを増額しても、資金を有効に使えるのか疑問だ」 と説明した。

長期金利に関しては、「円高の影響で実体経済が下押ししてくれば

1.0%を割る局面があると思う。年末にかけて0.8%に向かう」と予想 している。また、「短中期債利回りの低下余地はあまりなく、徐々に長 いゾーンに資金が向かうのではないか。投資家の手元資金は潤沢なこ とから、リスク許容度が回復すれば、金利低下局面ではたんたんと買 ってくると思う」と述べた。長期金利の指標とされる新発10年債利回 りは8月下旬に7年ぶり低水準の0.895%を付けたが、その後は水準 を切り上げ、今週は1.1%台で推移している。

トヨタアセットマネジメントの運用資産額は、2010年3月末時点 で、投資顧問が8976億円程度、投資信託が5668億円程度。

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