米国株:反発、欧州ソブリン債懸念が緩和-アップルが高い

米株式相場は反発。欧州ソブリン 債危機が世界の景気回復を妨げるとの懸念が緩和したのが背景となっ た。S&P500種株価指数は過去6営業日のうち5日で値上がりし ている。

JPモルガン・チェースとバンク・オブ・アメリカ(BOA) は上昇。ポルトガル国債やポーランド国債への需要改善を手掛かりに 欧州株は上昇した。ゴールドマン・サックス・グループも高い。米プ ライベートエクイティ(PE、未公開株)投資会社KKRと米資産運 用会社ペレラ・ワインバーグ・パートナーズがゴールドマンの米自己 勘定トレーディング部門の人材採用をめぐって協議していると、関係 者が明らかにした。アップルも高い。UBSが利益と株価見通しを引 き上げたのが好感された。

S&P500種株価指数は前日比0.6%高の1098.87。ダウ工業 株30種平均は46.32ドル(0.5%)上げて10387.01ドル。

フィデュシャリー・トラスト(ボストン)のマイケル・マレー ニー氏は、「リスク志向が高まっている」と述べ、「どんなものでも 欧州から安定性の兆しが出てくれば、リスク資産への需要が高まる。 投資家には手持ち資金が豊富にある。最新の米経済統計は励みになる 内容だった」と続けた。

S&P500種は今年4月に記録した年初来の高値からは9.7% 下げている。米雇用の伸び悩みや欧州の歳出削減など、多くの不安材 料が株価を押し下げている。

金融株

S&P500種金融株価指数は1.1%高と、産業別10指数のう ち値上がり率トップだった。24銘柄で構成されるKBW銀行指数は

1.7%上昇した。

JPモルガンは2.2%高。BOAは1.2%上昇した。両銘柄と も前日は欧州の債務危機不安を売り材料に値下がりしていた。

JPモルガン・ファンズ(ニューヨーク)の主任市場ストラテ ジスト、デービッド・ケリー氏は、「短期の材料に左右される相場だ」 と指摘、「長期的視点に立った論理的でファンダメンタルな市場では ない。前日の売り浴びせに対する反射的な反応だ。今年、リセッショ ン(景気後退)の二番底に陥るという話はハリケーン『アール』のよ うなものだ。アールは実際には米国本土を直撃しなかった。先行きが どうなるかは誰にも分からないものだ」と説明した。

米連邦準備制度理事会(FRB)が発表した地区連銀経済報告 (ベージュブック)では、12地区のうち5地区は「緩やかなペース での経済成長」、2地区は「前向きな動き、もしくは改善」を指摘。 残りの5地区は、状況はまちまち、もしくは減速と報告した。

米景気回復ペース

オバマ大統領は8日、景気回復の進展ペースが「痛々しいほど 鈍い」ことを認識していると述べた。大統領は企業や中間所得層を対 象にした減税、同時に富裕層の税率引き上げを盛り込んだ法案を成立 させるよう議会に求めた。

アップルは2%高。UBSはアップルの株価見通しを340ドル から350ドルに引き上げた。また今年と来年の1株当たりの利益予 想についても、それぞれ14.51ドルと18.09ドルと、これまでの 予想14.50ドルと16.62ドルから上方修正した。

事務用品小売り最大手ステープルズも高い。ゴールドマンがステ ープルズの投資判断を「ニュートラル」から「買い」に引き上げたの が好感された。