9月8日の米国マーケットサマリー:株が反発、米国債は下落

ニューヨークの為替・株式・債 券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)

為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.2716 1.2682 ドル/円 83.92 83.83 ユーロ/円 106.71 106.32

株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 10,387.01 +46.32 +.4% S&P500種 1,098.87 +7.03 +.6% ナスダック総合指数 2,228.87 +19.98 +.9%

債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .51% +.03 米国債10年物 2.65% +.05 米国債30年物 3.72% +.06

商品 (中心限月) 終値 前営業日比 変化率 COMEX金(ドル/オンス) 1,257.50 -1.80 -.14% 原油先物 (ドル/バレル) 74.57 +.48 +.65%

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場では、円がドルに対し15年ぶり高 値から下落。欧州の国債入札での需要改善で、域内債務危機が悪化 するとの懸念が後退したことが背景にある。また、日本政府が為替 介入に踏み切るとの観測も材料となった。

この日実施されたポルトガルとポーランドの国債入札では前 回よりも強い応札がみられた。これに反応してユーロが買われた。 円は主要16通貨のほとんどに対して値下がり。野田佳彦財務相が、 「必要な時には断固たる措置を取る」と発言したことを受けて売ら れた。米連邦準備制度理事会(FRB)が8日発表した地区連銀経 済報告(ベージュブック)では、景気減速の兆候が指摘された。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)のシニ ア為替ストラテジスト、マイケル・ウールフォーク氏は、「ダウ工 業株30種平均が上昇しており、これが安全通貨にはマイナス材料 となった」と述べた。

ニューヨーク時間午後2時22分現在、円は対ドルで前日比ほ ぼ変わらずの1ドル=83円86銭。アジア時間には1995年5月以 来の円高の83円35銭を記録していた。ドルはユーロに対して

0.5%安の1ユーロ=1.2747ドル。

◎米国株式市場

米株式相場は反発。欧州ソブリン債危機が世界の景気回復を妨 げるとの懸念が緩和したのが背景となった。S&P500種株価指数 は過去6営業日のうち5日で値上がりしている。

JPモルガン・チェースとバンク・オブ・アメリカ(BOA) は上昇。ポルトガル国債やポーランド国債への需要改善を手掛かり に欧州株は上昇した。ゴールドマン・サックス・グループも高い。 米プライベートエクイティ(PE、未公開株)投資会社KKRと米 資産運用会社ペレラ・ワインバーグ・パートナーズがゴールドマン の米自己勘定トレーディング部門の人材採用をめぐって協議して いると、関係者が明らかにした。アップルも高い。UBSが利益と 株価見通しを引き上げたのが好感された。

ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種株 価指数は前日比0.6%高の1098.87。ダウ工業株30種平均は

46.32ドル(0.5%)上げて10387.01ドル。

フィデュシャリー・トラスト(ボストン)のマイケル・マレー ニー氏は、「リスク志向が高まっている」と述べ、「どんなものでも 欧州から安定性の兆しが出てくれば、リスク資産への需要が高まる。 投資家には手持ち資金が豊富にある。最新の米経済統計は励みにな る内容だった」と続けた。

◎米国債市場

米国債相場は下落。欧州ソブリン債危機で世界的な景気回復が 損なわれるとの懸念が和らぎ、米国債を売って、高利回り資産を買 う動きが優勢になった。

ポルトガルが実施した国債(2021年償還)入札で、応札倍率 が前回入札を上回ったため、米国債は下落した。ただ、米10年債 はその後、米10年債入札と地区連銀経済報告(ベージュブック) を受けて下げ渋った。米財務省が実施した規模210億ドルの入札 では、海外の中央銀行を含む間接入札の落札全体に占める割合が過 去1年間で最も高い水準となった。米連邦準備制度理事会(FRB) が発表したベージュブックでは、米国の景気は引き続き拡大したも のの、「減速の兆候が広がってきた」ことが示された。

RWプレスプリッチの政府・機関債トレーディング担当マネジ ングディレクター、ラリー・ミルスタイン氏は「ユーロ圏のニュー スは古く、この日は不安がやや後退したため、リスク志向が再び活 発化している」と指摘。「景気にはかなりの不透明感が残っており、 押し目では引き続き買いが入っている」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク 時間午後3時31分現在、10年債利回りは前日比6ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01%)上昇の2.66%。一時は8bp上昇し、

2.67%を付ける場面もあった。同年債(表面利率2.625%、2020 年8月償還)価格は17/32下げて99 22/32。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は小幅反落。一時は過去最高値に接近 したが、株価の上昇で安全への逃避先としての金への需要が薄れ、 売りが優勢に転じた。

この日は欧州と米国で株価が上昇。ポルトガルとポーランドの 国債入札で需要が改善し、ソブリン債をめぐる懸念が緩和されたこ とが背景。金は一時オンス当たり1264.70ドルまで上昇した。日 中取引での過去最高値は6月21日に付けた1266.50ドル。前日 は終値ベースで過去最高の1259.30ドルで引けた。

インテグレーテッド・ブローカレッジ・サービシズのヘッドデ ィーラー、フランク・マギー氏(シカゴ在勤)は、「金は過去最高 値に接近し、上値抵抗に遭っている」と指摘。「株が上昇する可能 性はあるが、雇用情勢の改善が景気回復を支えるようになるまで、 投資家は金に資金をとどめざるを得ないだろう。金は上昇する必要 はない。価値を維持すれば良いだけだ」と語った。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先 物相場12月限は前日比1.80ドル(0.1%)安の1オンス=

1257.50 ドルで取引を終了。この日は0.4%上昇した後で0.4% 下げる場面もあった。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油先物相場は3営業日ぶりに上昇。株が上げた 一方、ドルの対ユーロ相場が下げたことで、代替投資先としての商 品への魅力が強まった。

原油は一時1.8%上昇。ポルトガルとポーランドの国債への需 要が改善したことで、株が上昇したことがきっかけだった。その後、 原油は上げ幅を縮小。米連邦準備制度理事会(FRB)が発表した 地区連銀経済報告(ベージュブック)で、米国の景気が7月半ばか ら8月末までに「減速の兆候が広がってきた」ことが示されたこと が手掛かりとなった。

エネルギー顧問会社、オイル・アウトルックス・アンド・オピ ニオンズ(ヒューストン)のカール・ラリー社長は、「株とドルが 相場を動かしている」と指摘。「投資家サイドからの需要がやや高 まり始め、出来高が8月から回復しつつある」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物10月限は 前日比58セント(0.78%)高の1バレル=74.67ドルで取引を 終了した。一時は75.39ドルまで上げる場面もあった。過去1年 間では5%上昇している。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 名子 知子 Tomoko Nago-Kern +1-212-617-2407 tnagokern@bloomberg.net Editor:Tsuneo Yamahiro 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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