アングロ・アイリッシュ銀を2分割へ-政府が救済の決着図る

国有化されたアイルランドのアング ロ・アイリッシュ銀行は、同国政府により2つの銀行に分割されるこ とになった。政府は同行救済の「最終決着」を図るとともに、救済費 用増大への投資家の懸念の沈静化を目指す。

アイルランド財務省は8日の声明で、アングロ・アイリッシュ銀 が、預金を引き継ぐいわゆる「グッドバンク」と、時間をかけて融資 を縮小する「アセットリカバリー(資産回収)バンク」に分割される と発表。10月までに、分割後の各行が新たな資本をどの程度必要とす るかを中央銀行が決定する。

財務省は「アイルランドの金融システムの評価回復のためには、 国内で最も苦境にあるアングロ・アイリッシュ銀の問題を最終決着さ せることが不可欠だ」と表明した。

ブロクサム・ストックブローカーズ(ダブリン)のチーフエコノ ミスト、アラン・マケイド氏は、「これで一歩前進したことは確かだ」 と述べ、「コストが最も重要なのは明らかだ。これは10月まで明らか にされない」と指摘した。

アングロ・アイリッシュ銀のマイク・アインズリー最高経営責任 者(CEO)はこの日、財務省発表に先立つインタビューで、救済費 用は約250億ユーロ(約2兆6700億円)となる見込みで、同行が完全 に閉鎖される場合はさらに約40億ユーロかかるとの見通しを示した。 レニハン財務相は今週、コストは「対応可能」であり、国家財政が破 たんすることはないと述べていた。

「前向きにとらえる」

同相は8日、アイルランドがアングロ・アイリッシュ銀の上位債 でデフォルト(債務不履行)に陥ることはないとの見方をあらためて 強調。ダブリンで記者団に対し、「この種の債券によるデフォルトはア イルランドにとって現実的な選択肢だとは思わない」と述べた。

アングロ・アイリッシュ銀は発表資料で、同計画をめぐり政府機 関と「協力して取り組む」とした上で、欧州連合(EU)の行政執行 機関である欧州委員会の最終決定が「向こう数週間内に」出るとの見 通しを示した。アルムニア欧州委員(競争政策担当)は、この新たな 計画には「明確化が必要な重要な側面が依然多くある」ものの、「前向 き」にとらえていると語った。